2015 Fiscal Year Research-status Report
がん患者の栄養摂取状況の改善を目指した口腔粘膜炎疼痛治療アルゴリズムの構築
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15K18916
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
百 賢二 筑波大学, 附属病院, 病院講師 (30645552)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 口腔粘膜炎 / 化学療法 / 頭頚部がん / 血液がん / 放射線療法 / インドメタシン / 院内製剤 / インドメタシン噴霧製剤 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、口腔粘膜円の疼痛緩和を目的として使用しているインドメタシン噴霧製剤を用い、プラセボコントロール試験(PhaseⅡ)を開始した(UMIN000017664)。本試験は、がん治療に伴う口腔粘膜炎の疼痛緩和を有した患者を対象とし、60名の患者を2群でランダム化割り付けし、安全性および有効性に関して探索的に評価しているものである(本試験の詳細は、uminの臨床試験登録情報のwebサイトに公開済みである)。 進捗状況としては、予定症例数の半分をこえており、2016年度内には試験が完了する予定である。 また、平成28年度からは、薬物動態学的な検討、および製剤学的な検討を開始してゆく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の予定では、症例集積に関しては、平成29年度終了までかかるものと想定していたものの、平成27年度中に予定症例数(n=60)の半分を超えることができた。現在のペースで症例集積されていった場合には、平成28年度内に臨床試験を完了させることが可能と考える。一方で、薬物動態学的な検討、製剤学的な検討に関しては平成27年度中に着手できておらず、平成28年度からはこちらの部分について重点的に進めてゆく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床試験(がん治療中の口腔粘膜炎の疼痛に対するインドメタシンスプレー製剤の有効性に関する無作為化二重盲検プラセボ比較第II相試験:https://upload.umin.ac.jp/cgi-open-bin/ctr/ctr.cgi?function=brows&action=brows&type=summary&recptno=R000020450&language=J)に関しては、平成28年度~29年度前半に終了となる見込みである。論文化および第Ⅲ相試験の実施の可否は、データ固定後に検討を行う予定である。 一方で、平成28年度より、薬物動態学的な検討および製剤学的な検討に関して着手したところである。 <薬物動態学的な検討>LCMSMSおよびHPLCを用いた検討を進めるべく、情報を収集するとともに、研究機器類のセッティングを行っている。具体的には、本製剤を使用する可能性のあるがん種(消化器がん、血液がんなど)の患者にしばしば用いられている抗がん剤の血中濃度測定のための条件検討を行うとともに、口腔粘膜炎を含む、がん治療に伴う副作用症状について実態調査(ビックデータの使用も視野に入れている)を行うことで、広くニーズを探索する予定である。ビックデータの入手により本研究成果のさらなる進捗が期待できる場合には、平成28年度内にビックデータの入手も行う。 <製剤学的な検討>インドメタシンの口腔内に投与可能な剤型の選択をすすめるとともにデバイスの新規開発も視野にいれて検討する。
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