2016 Fiscal Year Annual Research Report
Study of antitumor effect and mechanism of EGCG-PEG modified liposome for 67LR targeting
Project/Area Number |
15K18931
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
杉山 育美 岩手医科大学, 薬学部, 助教 (80509050)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | リポソーム / EGCG / ラミニンレセプター / 抗腫瘍効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は悪性度の高い腫瘍細胞に発現していることが報告されている67 kDaラミニンレセプター(67LR)を標的としたエピガロカテキンガレート(EGCG)-ポリエチレングリコール(PEG)修飾リポソームを開発し、その抗腫瘍効果を評価することである。今年度はEGCG-PEG修飾リポソームの抗腫瘍効果およびそのメカニズムについて検討した。 抗腫瘍効果の検討では、67LRが高発現するB16F10マウスメラノーマ細胞を用いて担癌マウスを作成し、制がん剤ドキソルビシン(DOX)を内封したサンプルを尾静脈内投与した。その結果、EGCG-PEG修飾リポソームは優れた腫瘍増殖抑制効果を示し、移植16日後の体積はコントロール群、PEG修飾リポソーム群に比べてそれぞれ50および16%減少した。PEG修飾リポソームとEGCG水溶液を併用投与した場合には、PEG修飾リポソームと同程度の腫瘍増殖抑制効果であったことよりEGCGがリポソーム膜表面に存在することの必要性が明らかとなった。 また、腫瘍へのDOX集積量はEGCG-PEG修飾リポソームで高かったが、本リポソームによる腫瘍増殖抑制効果の優位性に比べるとわずかな差であった。一方、EGCG-PEG修飾リポソームにおいて、カスパーゼ3の活性上昇が認められアポトーシスが誘導されたことが示された。EGCGの67LRへの結合によりアポトーシスが誘導されるとの報告より、リポソーム膜表面に修飾したEGCGによるものであることが示唆された。すなわち、EGCG-PEG修飾リポソームはPEG修飾リポソームと同様に内封薬物を標的部位に送達するだけでなく、EGCGによるアポトーシス誘導をもたらすことにより抗腫瘍効果を増大させたと考えられた。本リポソームを用いたがん治療は、副作用を増大させることなく治療係数を高めることができる有用な治療法となることが期待される。
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Research Products
(2 results)