2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of the organ-specific metastasis
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15K18943
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Research Institution | Kobe Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
堀部 紗世 神戸薬科大学, 薬学部, 助教 (50389110)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | エクソソーム / エンドサイトーシス / クラスリン / カベオリン |
Outline of Annual Research Achievements |
体液中を循環するエクソソームには、マイクロRNAやタンパク質が含まれ、がんの悪性化、とくに転移への関与が示唆される。転移を介してがん疾患が増悪化するには、体液中のがん細胞由来エクソソームが、その特異的な転移組織に選択的に取り込まれ、異常な細胞機能を伝達する可能性がある。しかし、エクソソームの組織指向性については、解析が不十分である。そこで、エクソソームの細胞内取り込み機構の解明するためにヒト肺がん由来A549細胞、ヒト大腸がん由来HCT116細胞およびCOLO205細胞を用いてエクソソームの細胞内取り込み様式について検討した。昨年度、エクソソームの精製方法を確立し、細胞間でエクソソームの膜たんぱく質の発現が異なることおよびエクソソームの細胞内への取り込みには、レシピエント細胞に依存することを明らかにした。本年度は、エンドサイトーシスを介したエクソソームの取り込み機構を明らかにするために、クラスリンエンドサイトーシス阻害剤であるpitstop2およびカベオリンエンドサイトーシス阻害剤であるゲニステインを用いて、エクソソームの取り込み様式について検討した。その結果、HCT116細胞におけるA549細胞由来エクソソームおよびCOLO205細胞由来エクソソームの細胞内取り込みは、Pitostop2で有意に阻害されたが、ゲニステインでは顕著な差は認められなかった。A549細胞におけるA549細胞由来エクソソームの細胞内取り込みは、Pitostop2で阻害されず、ゲニステインで有意に阻害された。COLO205細胞におけるA549細胞由来エクソソームの細胞内取り込みは、HCT細胞同様Pitstop2で阻害された。この結果より、レシピエント細胞に依存してエクソソームの取り込み様式が異なり、この違いがエクソソームを介した組織指向性に関与する可能性が示唆された。
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