2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism for the maintenance of pseudostratified neuroepithelium
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15K18953
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
篠田 友靖 名古屋大学, 医学系研究科, 助教 (80505652)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大脳発生 / 細胞運動 / 発生・分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
脊椎動物の中枢神経組織は、神経系前駆細胞集団からなる上皮構造組織(=神経上皮)より産み出される。本研究では神経系前駆細胞の動態を、なるべく生体内での状態を維持したまま、これまでにない高時間・空間分解能、「すべての」前駆細胞を同時に観察することで、前駆細胞の真の動態と真の動態に基づく、前駆細胞集団による神経上皮構造の形成・維持機構を解き明かすことを目的とした。 前年度までに申請者らは、脳室面隣接域で誕生する娘細胞に特異的な動態が、神経上皮構造特有の物性と、そこに存在する力を利用していることを明らかにしていた。 本年度はレーザー焼却の手法を用いることで、娘細胞に掛かっている力、すなわち周囲の神経上皮構造からもたらされる力の存在を、定性的にではあるが実験的に証明することができた。 申請者らは更に、娘細胞の細胞体が脳室面近傍域から速やかに立ち去り、他の前駆細胞の細胞分裂のためにスペースを確保することが重要であることを、前述の全細胞経時観察の結果から仮説として導いた。これを実験的に証明することは困難なため、前駆細胞の集団動態シミュレーションを用いた。娘細胞の立ち去りに関するパラメーターを変化させてシミュレーションを行った結果、娘細胞の立ち去りが無いと脳室面近傍域が細胞体の集中で「渋滞」を引き起こし、ひいては神経上皮の構造が破綻する事が示された。これらの結果は、前駆細胞たち自身によって形成された神経上皮構造が、その構造に起因する力により細胞体の運動方向を規則的に制御し、神経上皮構造の経時的な維持を可能にしていることを示している。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Katanin p80, NuMA and cytoplasmic dynein cooperate to control microtubule dynamics.2017
Author(s)
Jin M, Pomp O, Shinoda T, Toba S, Torisawa T, Furuta K, Oiwa K, Yasunaga T, Kitagawa D, Matsumura S, Miyata T, Tan TT, Reversade B, Hirotsune S.
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Journal Title
Scientific Reports
Volume: 7
Pages: 39902
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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