2019 Fiscal Year Annual Research Report
The effect of physical exercise on sleep structure, body temperature, and subjective sleep duration.
Project/Area Number |
15K18980
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Research Institution | Saitama Prefectural University |
Principal Investigator |
有竹 清夏 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (50415577)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2020-03-31
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Keywords | 睡眠 / 身体運動 / 徐波睡眠 / 主観的睡眠時間 / 脳波 / 不眠症 / 体温 / DPG |
Outline of Annual Research Achievements |
身体運動は、生理的条件で徐波睡眠の増加や客観的睡眠時間の延長をもたらし、睡眠に質的な問題がある場合において、入眠潜時の短縮や熟眠感の促進など睡眠改善効果をもたらすことが報告されている。しかし、どのような運動の要素が睡眠に影響を与えているかについては、包括的研究が少ないという理由からメカニズムが明らかになっていなかった。本研究では、運動時間、強度、量、タイミングなどについて考慮し、とりわけ身体運動量に着目した中強度の有酸素運動を繰り返し実施することでこれらの要因を統制した身体運動プロトコルを作成した。この身体運動プロトコルを用いて、その後の夜間睡眠構造の変化、就寝前及び睡眠中の深部体温や皮膚温の変化, 睡眠前後の主観的評価を検討した。その結果、非運動条件に比べて運動条件では1)夜間睡眠中の徐波睡眠量SWS(分)、徐波活動量SWA(パワー)が増加すること、2)その後の夜間睡眠中の深部体温, DPGが共に有意に高くなること、 3)fast-σ/SWA(13-16Hz)が有意に増加すること、4)翌朝の熟眠感が有意に増加することが明らかになった。さらに、非運動条件から運動条件への徐波活動の増加はDPGの増加と、 fast-σ波(13-16Hz)は深部体温と有意な相関がみられた。 すなわち、本研究の身体運動プロトコルによって、睡眠が深くなり(徐波睡眠量および徐波パワー増加)、安定化し(fast-σ/SWA)、睡眠中における皮膚からの熱放散の活性化と深部体温の低下が見られ、翌朝の主観的熟眠感が向上することが明らかになった。これらの成果を学会発表とともに国際誌へ発表を行った。
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