2016 Fiscal Year Annual Research Report
Functional roles of novel S-palmitoylation on beta 3-adrenergic receptor
Project/Area Number |
15K18988
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
足立 直子 神戸大学, バイオシグナル総合研究センター, 助教 (70604510)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | パルミトイル化 / β3 アドレナリン受容体 / GPCR |
Outline of Annual Research Achievements |
β3アドレナリン受容体(β3AR)は脂肪組織や膀胱平滑筋に発現しているGPCRで、受容体の活性化により脂質の代謝や熱産生、平滑筋の弛緩を引き起こす。β3ARは多くのGPCRと異なり、リガンド結合後の受容体の内在化(インターナリゼーション)を起こさず、その脱感作の機構は不明である。本研究では以下の研究成果を得た。 ①パルミトイル化修飾は受容体半減期を変化させる;β3ARの4つのパルミトイル化修飾部位を同定し、また、パルミトイル化阻害薬2-BP処置によりβ3ARが急速にリソソームで分解されることを見出した。非パルミトイル化変異型受容体(β3AR-C4A)を用いて、2-BPの効果を検討したところ、β3AR-C4Aも2-BPの影響を受けることから、β3ARの結合タンパク質のパルミトイル化状態がβ3ARの分解に関与することが解った。一方で、野生型β3ARの半減期は1.7時間と短いのに対して、パルミトイル化修飾の数を減らすことで半減期に延長がみられた。つまり、β3ARはパルミトイル化状態の変化により、受容体の存在量が変化することが判明した。 ②パルミトイル化修飾はβ3ARの下流シグナルを制御する;野生型と比較してβ3AR-C4Aでは受容体刺激後のcAMPの産生量が低下した。4つの修飾部位の内、特に受容体のC末端領域のパルミトイル化修飾がGタンパク質との結合に必要であることが考えられた。また、cAMP/PKAの下流にあるERK1/2のリン酸化にも低下が見られ、パルミトイル化状態により、受容体の活性化状態が変化する可能性を示した。 これらの結果より、β3ARは多くのGPCRとは異なるメカニズムで、受容体の発現量を調節し、下流シグナルを変化させることが判明した。今後はパルミトイル化状態を薬剤で変化させ、β3ARの発現量を調節し、脂質の代謝や熱産生、平滑筋の弛緩を制御することを目指している。
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[Journal Article] Xeroderma pigmentosum group C protein interacts with histones: regulation by acetylated states of histone H3.2017
Author(s)
Kakumu E, Nakanishi S, Shiratori HM, Kato A, Kobayashi W, Machida S, Yasuda T, Adachi N, Saito N, Ikura T, Kurumizaka H, Kimura H, Yokoi M, Sakai W, Sugasawa K.
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Journal Title
Genes Cells.
Volume: 22(3)
Pages: 310-327
DOI
Peer Reviewed
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