2015 Fiscal Year Research-status Report
ALS治療を目的とした糖鎖によるミクログリア形質転換機構の解明
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15K19006
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
小林 和克 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (00706294)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ALS / ミクログリア / 脊髄変性 / 運動神経 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在当研究室では、ALSマウスとしてJAX社から購入したB6.Cg-Tg(SOD1-G93A1Gur/J)マウス(S群)を利用しており、同時に、ケラタン硫酸(KS)合成酵素であるGlcNAc6ST-1遺伝子を欠損させたKS欠損型ALSマウス(SG群)も利用している。雄個体を主に継代維持に使用することで、(SGヘテロ、Gヘテロ)を作製し、維持系統中であり、ALSマウス・KS欠損型ALSマウスを用いて運動機能評価(Rota-rod 15rpm・20rpm)、lifespanを検討した。S群との比較では、KS欠損型(SG群)においてlifespanは有意に短縮が見られた。Rota-rodを用いた運動機能評価では、15rpm・20rpmともに両群間で罹病期間(疾患進行度)に差はなく、life spanの差は疾患onsetの差によるものであった。 一方で、発病マウス(S群)とGlcNac6ST-1 -/- 発病マウス(SG群)の脊髄よりRNAを抽出し、遺伝子発減量の差をDNAマイクロアレイにて解析した。病態に関与していると思われる遺伝子について、その発現量をリアルタイムPCRにより確認した。 その結果、SG群では、塩基性ヘパリン結合性の分泌タンパク一群であるケモカイン(CCL2,CCL3,CCL4,CC5,CCL7,CCL12)の発現増加が認められた。またGAG bindingに関連するリガンド・レセプターのアップレギュレーションが同定された。M2ミクログリア遺伝子の発現誘導に関与する遺伝子群の選別を現在行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
計画書で研究課題とした (1)モデルマウス作成維持、運動機能評価 (2)脊髄組織に由来するmRNAを用いたマイクロアレイ解析を施行し、解析を行った。現在は、これまでの結果を基に、(3)に相当するM2ミクログリア遺伝子の発現誘導に関与する遺伝子群の選別を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、M2ミクログリアの発現に関わる遺伝子群の網羅的検索を行う。 計画書で研究課題としたとおり、候補遺伝子の経時的変化を、定量PCRを用いて個別に調べる。M2ミクログリア遺伝子の発現に関わっていれば、マウス発病時期における発現が一峰性の上昇を示すと予想される。 さらに、ミクログリア細胞株や初代培養ミクログリアを用いて、候補遺伝子がM2ミクログリア遺伝子の発現誘導に関与するかを明らかにする。 KSを利用したミクログリア形質転換により、全ミクログリアにおける神経保護性M2ミクログリアの発現上昇が可能になればミクログリアをターゲットとしたALSの新規治療の発見につながると考えている。
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Causes of Carryover |
脊髄損傷モデル作成実験用動物・試薬が、安く購入できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
本研究に関する情報収集および研究成果の報告のための学会出席費用に充てる。
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Research Products
(9 results)
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[Journal Article] Tuberculous meningitis with dementia as the presenting symptom after intramedullary spinal cord tumor resection2015
Author(s)
Kobayashi K, Imagama S, Ito Z, Ando K, Yagi H, Shinjo R, Hida T, Ito K, Ishikawa Y, Matsuyama Y, Ishiguro N.
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Journal Title
Nagoya J. Med. Sci
Volume: 77
Pages: 653-657
Peer Reviewed
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[Journal Article] Utility of a 3-dimensional full-scale NaCl model for rib strut grafting for anterior fusion for cervicothoracic kyphosis2015
Author(s)
Kobayashi K, Imagama S, Muramoto A, Ito Z, Ando K, Yagi H, Hida T, Ito K, Ishikawa Y, Tsushima M, Ishiguro N.
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Journal Title
Nagoya J. Med. Sci
Volume: 77
Pages: 491-496
Peer Reviewed
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[Journal Article] Fatal case of cervical blunt vascular injury with cervical vertebral fracture: A case report2015
Author(s)
Kobayashi K, Imagama S, Okura T, Yoshihara H, Ito Z, Ando K, Ukai J, Shinjo R, Muramoto A, Matsumoto T, Nakashima H, Ishiguro N.
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Journal Title
Nagoya J. Med. Sci
Volume: 77
Pages: 473-480
Peer Reviewed
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