2017 Fiscal Year Annual Research Report
The role of ST2, a receptor for cytokine IL-33, in the pathogenesis of cancer/autoimmune disease
Project/Area Number |
15K19031
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Research Institution | Tokyo University of Science |
Principal Investigator |
蒲池 史卓 東京理科大学, 理工学部応用生物科学科, 助教 (00747800)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ST2 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、IL-1受容体ファミリーに属するST2が自己免疫疾患や癌疾患の治療標的分子となりうるか明らかにすることを目的とする。現在、癌疾患の中でも、肥満を背景とした癌発症の分子機構の解明に着目している。これまでに、当研究室で確立した肥満誘導性肝臓癌モデルマウスの、肝臓組織のマイクロアレイ解析の結果から、非腫瘍部に比べて腫瘍部ではST2のリガンドinterleukin-33 (IL-33) が著しく高発現していることを見出している。また、IL-33欠損マウスおよびST2欠損マウスでは野生型マウスに比べて肝腫瘍数が低下する結果を得ていることから、IL-33とST2は癌促進的に働くと考えられる。そこで、肝癌微小環境でIL-33を発現する細胞を探索したところ、肝星細胞において細胞老化に伴いIL-33の発現が誘導されることがわかった。IL-33は、ある種のプロテアーゼによる切断され活性が高まることが報告されている。肥満誘導性肝癌モデルマウスの肝腫瘍局所には切断型のIL-33が多く存在し、細胞老化を誘導した肝星細胞の培養上清には切断型IL-33が存在することがわかった。したがって、老化した肝星細胞は、効率的に活性の高いIL-33を分泌する能力を有する可能性がある。次に、肥満誘導性肝癌形成におけるIL-33の役割を検討したところ、リコンビナントIL-33投与により腫瘍数が増加し、一方、抗ST2ブロッキング抗体投与により肝腫瘍数が低下することがわかった。これまでに、細胞老化を起こした肝星細胞が肝癌促進的な微小環境を形成することを明らかにしていたが、その分子機構は解明されていなかった。本研究結果から、肥満状態に陥ると、細胞老化を起こした肝星細胞がIL-33を産生し、IL-33-ST2経路が活性化することで、肥満誘導性肝癌形成が促進すると考えられる。
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[Journal Article] Downregulation of cytoplasmic DNases is implicated in cytoplasmic DNA accumulation and SASP in senescent cells2018
Author(s)
Takahashi A, Loo TM, Okada R, Kamachi F, Watanabe Y, Wakita M, Watanabe S, Kawamoto S, Miyata K, Barber GN, Ohtani N, Hara E
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Journal Title
Nature Communications
Volume: 9
Pages: -
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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