2015 Fiscal Year Research-status Report
乳癌の脳転移における局所エストロゲン合成の仕組みの解明
Project/Area Number |
15K19044
|
Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
柴原 裕紀子 東北大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (30645932)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
|
Keywords | 乳癌 / 癌間質 / 転移 / アストロサイト |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒト乳癌組織の脳転移巣55例について、標本を作製した。Hematoxylin-Eosin染色を行って、病理組織学的評価を行った。形態像では、腫瘍の分布の他に、壊死や線維化に着目して、詳細な観察を行った。続いて、これらの組織を用いて、免疫組織学的検討を行った。行った免疫染色はGFAP(アストロサイトで陽性), CD34, αSMA(癌のmyofibroblastで陽性), CD31, CD34(血管系マーカー)およびER(エストロゲン受容体), PR(プロゲステロン受容体), HER2, Ki-67(増殖マーカー)である。これらの染色をそれぞれlabeling index等の評価方法により数値化した。アストロサイトおよび癌間質を脳転移巣周囲において、同定した。 次に、癌間質細胞のprimary cultureを行った。癌間質7例の培養を行ったが、うち2例のみ乳癌培養細胞との共培養に使用しうる増殖を得ることができた。残り5例では、増殖が非常に遅く、現段階では継代するには不十分であった。 Astrocyteのprimary cultureを行う予定であったが、その前にratのastrocyteの培養実験を前段階として行った。Astrocyteの増殖を確認したのち、ヒト乳癌細胞との共培養を行い、増殖能を検討した。RNAを採取し、PCR micro arrayも行った。現在はヒトastrocyteを入手し、培養を行っているところである。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
アストロサイトのprimary cultureを行うための、組織の入手の手配が遅れているため、ratおよびヒトのastrocyteの培養細胞を用いて実験を行っている。 また、脳転移組織は手術されることが想定より少なく、当初の予定よりも件数が少なくなっている。
|
Strategy for Future Research Activity |
ヒト乳癌脳転移組織を用いた実験については、さらに件数を増やすことを検討する。 また、細胞実験については、培養細胞実験を続けるのと並行して、primary cultureを行う準備をする。
|