2015 Fiscal Year Research-status Report
成熟T/NK細胞リンパ腫における新規予後指標の開発を目的とした多施設共同研究
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15K19052
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
加藤 省一 名古屋大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30584669)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 成熟T/NK細胞リンパ腫 / EBV / 節外性NK/T細胞リンパ腫,鼻型 / 皮膚原発 |
Outline of Annual Research Achievements |
成熟T/NK細胞リンパ腫のひとつである、鼻腔外原発鼻型NK/T細胞リンパ腫(ENKTL)は日本を含めたアジア諸国で多い、予後不良な疾患である。この悪性腫瘍は細胞傷害性分子とともにEBウイルス(EBV)も陽性であり、我々の研究対象となる疾患である。我々は、このような予後不良のENKTL症例について、解剖学的発生部位、T細胞受容体の発現パターンなどに注目して臨床病理学的特徴を解析検討した。今までの検討結果により、皮膚原発ENKTLは他のENKTL症例と比べ明らかに予後良好であることが示された。またENKTLにおいて、皮膚原発例は他の症例と比べて異なる臨床病理学的特徴を有することも本研究で示唆された。当該結果はThe 6th Asian Hematopathology Symposiumにて発表され、詳細については現在論文投稿中である。また並行して、他の細胞傷害性分子陽性の成熟T/NK細胞リンパ腫についても、その解剖学的部位やT細胞受容体の発現パターンの詳細に注目して解析を進めている。その中では興味深い結果も得られつつあり、更なる解析の上、新たに論文として報告できるよう準備している。このように、細胞傷害性分子陽性の成熟T/NK細胞リンパ腫について多面的に臨床病理学的解析が進んでおり、我々の研究結果を元に、解剖学的発生部位やT細胞受容体の発現パターンを中心として本腫瘍の疾患概念の再構築が進むものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今回は我々は、皮膚原発ENKTLの特殊性について明らかにした。またその結果の一部を学会にて発表し、さらに現在論文投稿中である。
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Strategy for Future Research Activity |
我々はさらに、他の解剖学的部位を主座にもつ細胞傷害性T/NK細胞リンパ腫においても、T細胞受容体の発現パターンを中心にその臨床病理学的特徴を解析検討している。
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Research Products
(1 results)