2016 Fiscal Year Annual Research Report
The role of Opn-expressing CD8 T cells in the intestine
Project/Area Number |
15K19075
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
伊藤 甲雄 東北大学, 加齢医学研究所, 助教 (90609497)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | オステオポンチン / 腸管上皮内リンパ球 / 腸内細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究ではOpn遺伝子をEGFPに置換したレポーターマウスを用いて、パイエル板を含む腸管組織において正常状態においてもCD8T細胞がOpnを発現していることを明らかにした。その後の詳細な検討の結果、腸管組織の中で上皮内リンパ球(IEL)が最もOpnの発現が高いことが分かり、その多くがTCRγδ細胞であることを見出した。このIELは抗菌ペプチドを産生することにより腸内細菌叢の恒常性維持や感染抵抗性に機能することから、平成27年度はこのOpn陽性CD8 TCRγδ IELの役割を解析するために、次世代シークエンサーを用いて糞便中の菌叢解析を行い、Opn欠損マウスにおいて野生型と比較して菌叢が大きく変化していることを発見した。平成28年度は、菌叢の変化におけるOpnの役割を解析するためにより詳細な検討を行った。初めに、CD8 TCRγδ IEL及び腸管上皮を野生型マウスとOpn欠損マウスからフローサイトメトリーを単離した。その後、マイクロアレイ及びリアルタイムPCRを用いて抗菌ペプチドの発現を解析した結果、両群に大きな差は認められなかった。したがってOpnは腸管における抗菌ペプチドの発現調節には影響しないことが分かった。また、フローサイトメトリー解析によってOpn欠損マウスではCD8 TCRγδ IELの数が減少していることを発見した。一方でパイエル板における細胞の構成はOpn欠損による変化が見られなかった。さらに、IEL(CD8 TCRγδ 及びTCRαβ)を単離してOpn阻害抗体存在下で培養すると、両群で対照抗体と比較して細胞の生存が低下することが分かった。以上の結果からOpnはCD8 TCRγδ IELの生存に寄与し、腸管における抗菌ペプチドの総量を維持することによって腸内細菌叢の維持に機能している可能性を示し、Plos One (2017) e0173629に発表した。
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Research Products
(2 results)