2016 Fiscal Year Annual Research Report
Involvement and activation mechanism of novel PAMPs in lung mycoses
Project/Area Number |
15K19098
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Research Institution | Tokyo University of Pharmacy and Life Science |
Principal Investigator |
石橋 健一 東京薬科大学, 薬学部, 講師 (20453805)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 真菌PAMPs / α-1,3-グルカン / アスペルギルス / 真菌細胞壁多糖 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々は,本研究において,主要病原真菌であるアスペルギルス菌体より,アスペルギルス細胞壁α-1,3-グルカン(AspAG)を調製することができた.AspAGは不溶性であるが,酸処理により可溶化することができ,可溶性アスペルギルス細胞壁α-1,3-グルカン(ASAG)を調製することもできた.これまでに,in vitroでの炎症性サイトカイン産生,抗ASAG抗体価の検討を行ってきた.今年度においては,in vivoにおける検討を行うとともに,さらにin vitoにおける生物活性の検討も進めた.侵襲性モデルとして,AspAGを静脈内に投与した急性炎症反応の検討を行った.末梢血白血球数並びに血清TNF-α産生の比較検討を行ったところ,投与後6hにおいて,末梢血白血球数が増加した.投与後,24h後において,血清TNF-α産生量の上昇が認められた.さらにマウス腹腔内にAspAGを投与し,30min後における血管透過性を検討したところ,血管透過性が上昇することが示された.よってこれらの結果より,アスペルギルス細胞壁α-1,3-グルカンは,アスペルギルス症の病態形成に関わる病原関連分子パターンの一つとして考えられることを明らかにした.,肺での炎症を検討するため,気管内投与し,気管支洗浄液の細胞数,サイトカイン産生を検討した.AspAG気管内投与マウスの細胞数は上昇し,TMF-α,IL-6などの炎症性サイトカイン産生が上昇した.AspAGは肺においても炎症を誘発することが明らかとなった.In vitroにおいては,マウスおよびヒト白血球細胞株でのサイトカイン産生誘発能を検討した.AspAGはそれら白血球細胞株の炎症性サイトカイン産生を誘発した.本研究によって,アスペルギルス細胞壁α-1,3-グルカンの真菌PAMPsとしての病態への関与,意義を明らかにすることができた.
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