2016 Fiscal Year Annual Research Report
Analysis of the role for human herpesvirus 6 gM/gN entry
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15K19112
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
河端 暁子 神戸大学, 医学研究科, 助教 (30595947)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ウイルス / 細胞 / 宿主因子 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトヘルペスウイルス6 (HHV-6) は乳幼児の突発性発疹の原因であり、初感染時には時に熱性痙攣や脳炎など重篤な症状を引き起こす。また、造血幹細胞移植等の再活性化の際には脳炎や脳症を引き起こすが、その感染機構には不明な点が多い。我々はHHV-6ウイルス粒子のエンベロープ糖タンパク質複合体であるglycoprotein M (gM)/gN複合体について研究を行った。HHV-6 gM/gN複合体は感染細胞において膜輸送に関与する宿主因子と相互作用し、gM/gN複合体とともにウイルス粒子中に存在することを報告している。同時にウイルス粒子中にはテグメントと呼ばれるヘルペスウイルス粒子を保持する構造が存在する。テグメントを構成するテグメントタンパク質はエンベロープ糖タンパク質と相互作用し、ウイルス粒子形成に重要であることも報告されている。 我々の研究室ではテグメントタンパク質U14について研究している。U14は感染初期には核に、後期には細胞質に局在するユニークなタンパク質であり、HHV-6の増殖に必須であることを我々は見出している。我々は、U14は様々な宿主因子と結合して機能する、多機能なウイルスタンパク質であることを見出している。そこで本研究ではさらに、U14と相互作用する宿主因子の探索を行い、U14と結合する宿主因子を新たに見出した。この宿主因子XはU14発現細胞およびHHV-6感染細胞においても、U14と相互作用していた。また、感染後期においてU14と宿主因子Xは細胞質内で共局在していることを確認した。宿主因子Xの発現抑制により、HHV-6は細胞内で増殖しないことも明らかにした。以上の結果より、本研究では、ウイルス粒子構成因子であるテグメントタンパク質U14に結合する宿主因子XがHHV-6の感染に重要であることを明らかにした。
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Research Products
(2 results)