2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mechanism of CCR4-NOT complex-mediated target mRNA degradation in B cells
Project/Area Number |
15K19127
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
井上 毅 大阪大学, 免疫学フロンティア研究センター, 特任助教(常勤) (80466838)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 免疫学 / B細胞分化 / mRNA分解 / CCR4-NOT |
Outline of Annual Research Achievements |
CCR4-NOT複合体はmRNA分解の中心的反応であるポリ(A)分解を担う主要な酵素複合体であり、研究代表者は複合体の構成因子の一つCNOT3のB細胞特異的欠損マウスが著明なB細胞分化異常を呈することを見出した。この分化異常の分子メカニズムを明らかにするため、コントロールおよびCNOT3欠損プロB細胞のトランスクリプトーム解析を行い、p53 mRNAがCCR4-NOT複合体による分解標的mRNAの一つであることを明らかにした。 平成28年度は、CNOT3とp53の二重欠損マウスを詳細に解析した。二重欠損マウスにおいて、CNOT3単独欠損で顕著に減少していたプレB細胞数の部分的回復を認めたが、未熟B細胞以降の分化は回復しなかった。これはCNOT3がp53 mRNAの制御とは独立に、プロB細胞における免疫グロブリン重鎖遺伝子のV-DJ遺伝子再構成に関与しているためと考えられた。実際、V-DJ遺伝子再構成に必要とされるV遺伝子germline transcriptの転写がCNOT3欠損プロB細胞ではほとんど認められなかった。 すなわち、CNOT3は免疫グロブリン重鎖遺伝子の転写制御およびp53 mRNAの転写後制御といった遺伝子発現制御に多面的に関わることで、B細胞初期分化において重要な役割を果たしていることが明らかになった。 さらに、CNOT3欠損、p53欠損、NPハプテン特異的免疫グロブリン重鎖遺伝子のknock-in、という三重変異マウスを作製、解析したところ、骨髄におけるB細胞分化は概ね回復したものの、脾臓におけるT1細胞からT2細胞への分化に異常が認めれられた。このことは、CNOT3は末梢におけるB細胞成熟過程においても重要な役割を果たしていることを示唆している。
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Research Products
(3 results)