2019 Fiscal Year Research-status Report
地域在住高齢者の終末期に関する前向きコホート研究-事前意思と実態の相違について-
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15K19151
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
金城 文 鳥取大学, 医学部, 講師 (50529427)
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Project Period (FY) |
2015-03-01 – 2021-03-31
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Keywords | アドバンス・ケア・プランニング / 事前指示 / 終末期医療 / 地域在住高齢者 / コホート研究 |
Outline of Annual Research Achievements |
令和2年3月末までに、65名の初回面接調査、11名の2回目追跡面接調査が終了した。 研究対象者は、男性33名、女性32名、平均年齢は73.1歳(65-93歳)であった。 初回調査の結果では、終末期において病名も病状も告知してほしいと望む人が86.2%、告知を望まない人が12.3%であった。家族と終末期の延命治療について十分話し合ったことがある人は24.6%、全く話をしたことがない人が56.9%、終末期医療の意向に関する文書を実際に作成した人は15.4%であった。終末期の医療行為の実施の判断について、家族に判断してもらいたい人が52.3%、自分の示した意思で判断して欲しい人が38.5%であった。終末期に過ごす場所の希望は、自宅が27.7%、病状に応じて/わからないが36.9%であった。終末期の医療行為については、延命治療を望まないが84.6%、わからない15.4%、望まない0%、痛みや不快を取り除く緩和治療を望むは93.8%であった。個別の医療行為に対する意向を確認することは、医療行為について十分な知識がない状況では判断することが難しかった。意識があるかどうか、が判断するための材料として重要であった。 米国の”生命維持治療に関する医師による指示書(Physician Orders for Life-sustaining Treatment, POLST”では、医療処置はどれも希望しない1.5%、痛みや不快な症状を取り除くことを最優先とする医療処置を希望する89.2%、可能な限りの医療処置を希望する1.5%、わからない7.7%であった。個別の医療行為について聞くより、包括的な質問で意向を確認する方が地域在住高齢者には答えやすいようであった。 2020年度に全員の2回目調査を終了する予定であり、1回目と2回目の回答を比較して、終末期の事前意思に関する変化の有無などを分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
倫理審査の申請等に時間がかかり、初回調査の実施が遅れたため、研究の実施が後ろへずれこんだ。
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Strategy for Future Research Activity |
新型コロナウイルス肺炎の広がりにより2回目面接調査の実施が難しくなっている。しかし、面接方法を検討して、2020年度に全員の2回目調査を終了する予定であり、1回目と2回目の回答を比較して、終末期の事前意思に関する変化の有無などを分析する予定である。
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Causes of Carryover |
倫理審査に時間を要し、初回調査の開始が遅れたため、2回目調査実施のため、1年延長を希望した。次年度使用額を利用して、残り、54名の2回目調査を実施する予定である。
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