2016 Fiscal Year Research-status Report
BMIの患者参画アップストリーム・エンゲージメントの構築と他分野参加研究との接合
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15K19156
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
礒部 太一 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (00724999)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 市民参加 / BMI / 市民・患者参画 / 参加研究の接合 / 比較研究 / 社会運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
科学技術社会論以外の研究分野において、「参加」をキーワードとした取り組みや研究の蓄積は進んでいるものの、分野横断的な議論や研究蓄積の統合などが充分に行われていない状況にある。「参加」を焦点とした他分野の取り組みや研究とは、例えば、医療社会学や医療政策における市民患者参画(Public & Peitient Involovement: PPI)、コミュニティデザイン、社会運動論、福祉社会学におけるボランティア論などである。本年度は昨年度に引き続き、これら他分野の参加研究と、BMIのアップストリーム・エンゲージメントを事例とし包括的に接合し比較検討を行った。このような研究を通じて、概ねではあるが、他分野参加研究と科学技術社会論における市民参加研究の見取り図が明らかとなってきた。 また、BMIのアップストリーム・エンゲージメントを想定した場合、医療応用のBMIがターゲットとする被験者であり、近い将来の受益者である神経難病患者とその家族は、将来はBMIの受益者になる可能性が高いアクターである。さらに言えば、BMIに関わる研究参加者(被験者)や患者だけでなく、BMIに関わる専門家(医療従事者や研究開発者)も重要なアクターである。このようなBMI使用の可能性の高いアクターや医療従事者などへの調査を実施するため、今年度は準備を進めた。具体的には、調査実施のための関連文献による研究と、調査票で使用する予定の質問項目の作成・選定である。概ねではあるが、調査実施の準備としては目処が立った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は昨年度に引き続き、他分野の参加研究と、BMIのアップストリーム・エンゲージメントを事例とし包括的に接合し比較検討を行った。一部ではあるが、他分野参加研究と科学技術社会論における市民参加研究の見取り図が明らかとなってきたことは研究の進捗としては一定の成果をあげた。その一方で、BMI使用の可能性の高いアクターや医療従事者などへの調査については、関連文献の調査や、調査項目の策定・選別に予想以上に時間が必要となったため、調査自体については来年度に実施することとなった。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度においては、BMI使用の可能性の高いアクターや医療従事者などへの調査について実施する予定である。本年度はこの調査に関連する文献調査と、調査項目の策定・選別を行なったが、それらを踏まえて実際の調査を実施する計画である。
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Causes of Carryover |
今年度は、文献調査と質問表の作成が研究の中心であったため、旅費や調査費用などの支出がほぼなく、次年度使用額が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度は、学会出張や調査実施を予定しており、その際に次年度使用額分については使用予定である。
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