2017 Fiscal Year Annual Research Report
Constructing upstream engagement of BMI with patient and connecting with engagement research in other fields.
Project/Area Number |
15K19156
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Research Institution | Health Sciences University of Hokkaido |
Principal Investigator |
礒部 太一 北海道医療大学, 歯学部, 講師 (00724999)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 市民関与 / 比較研究 / 被験者・患者参画 / 社会調査 / BMI / 神経難病 / 神経疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究実施の最終年度であるため、昨年度までの研究成果を踏まえてさらなる研究を遂行した。科学技術社会論以外の研究分野において、「参加」をキーワードとした取り組みや研究の蓄積は進んでいるものの、 分野横断的な議論や研究蓄積の統合などが充分に行われていない状況にあるため、他分野の「参加」研究に関して引き続き調査を行った。その上で、科学技術社会論分野におけるBMIについての市民参加研究との類似点や相違点を明らかにするため、比較研究の観点から分析を行った。その結果を踏まえて、「緩やかな関与」概念の提唱を行った。「緩やかな関与」とは、科学技術に対して関わっているとは認識していないが、実際は関与している形態を指す。この概念は、一般的に難解だとされる科学技術について関わる有益な視座を提供可能である。 また、神経難病や神経疾患の受容や認識に関しての社会調査を実施した。この調査では、一般市民だけでなく、神経難病・神経疾患罹患者である当事者も調査の回答群に含まれている。質問項目としては、市民関与への認識、神経難病・神経疾患への認識、神経難病・神経疾患におけるBMIなどの技術使用への認識などを設定して調査を行った。調査結果のデータについては現在、分析中である。 さらに、これまでの研究成果を踏まえ、BMIをジェロンテクノロジーとして捉えた上で高齢化社会や障害などへ対応する技術として、今後どのような方向性が見出されるのかについても検討も行った。その結果として、人と機械をつなぐメディア(媒介)としてのジェロンテクノロジーの位置付けが可能であることが明らかとなった。
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