2017 Fiscal Year Annual Research Report
Metabolomics approach for understanding the underlying mechanism of durg induced lung injury
Project/Area Number |
15K19169
|
Research Institution | National Institute of Health Sciences |
Principal Investigator |
齊藤 公亮 国立医薬品食品衛生研究所, 医薬安全科学部, 室長 (10650608)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
|
Keywords | リピドミクス / 薬剤性間質性肺炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度に検討したブレオマイシン誘発性間質性肺炎モデルマウスについて、個体数を増やし、炎症初期(投与後2日)、炎症持続期(投与後7日)、繊維化期(投与後21日)、について、血漿、肺、肺胞洗浄液を用いたリピドミクス解析を行った。その結果、398、553.333分子を血漿、肺、肺胞洗浄液から、それぞれ測定し、多変量解析の結果、血漿はほとんどプロファイルが変わらないこと、肺は炎症持続期から繊維化期にかけて対照群と分離すること、肺胞洗浄液は炎症初期からから繊維化期にかけて対照群と分離することを見出した。これらの分離に寄与する分子として、肺では、ホスファチジルグリセロール/ビスモノホスファチジン酸(PG/BMP)、ホスファチジルイノシトール(PI)、コレステロールエステル、ホスファチジルコリン(PC)、エーテル型ホスファチジルエタノールアミン(PEe)を、肺胞洗浄液では、PG/BMP、PI、PC、エーテル型PCを見出した。また肺及び肺胞洗浄液については、オキシリピン解析を行い、炎症性サイトカインであるPGE2が、間質性肺炎モデルの肺、肺胞洗浄液で増加した。さらに、血漿については変動する分子を個別に探索し、炎症持続期において、エイコサペンタエン酸(EPA,20:5)を含む、PCとPIが特徴的に増加することも見出した。また、これらの分子は、血漿-肺-肺胞洗浄液全てにおいて炎症持続期に増加が認められた。一方、肺-肺胞洗浄液との関連は認められなかったが、遊離脂肪酸が繊維化期において減少することも見出した。 以上の結果から、ブレオマイシンを用いたモデルの構築、そのモデルを用いることで、薬剤性間質性肺炎の包括的・継時的な脂質変動を明らかにし、EPAを含むPC及びPIが薬剤性間質性肺炎のバイオマーカー候補として同定した。
|
Research Products
(1 results)