2016 Fiscal Year Annual Research Report
Gene editing of patient-derived iPS cells by Zinc finger nuclease to analyze development of juvenile myelomonocytic leukemia
Project/Area Number |
15K19177
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松田 和之 信州大学, 医学部附属病院, 主任臨床検査技師 (00647084)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | ZFN / JMML / PTPN11 |
Outline of Annual Research Achievements |
小児の代表的な難治性血液腫瘍疾患である若年性骨髄単球性白血病(JMML)の約80%の患者では、RAS/MAPKシグナル経路に関連する5種類の遺伝子変異が排他的に認められる。JMMLが単一遺伝子変異によって発症するか否かは未だ不明である。 本研究では、研究代表者らが樹立に成功したJMML患者由来iPS細胞を対象として、従来の外来性プロモーターによる過剰発現や発現抑制ではなく、本来の遺伝子座位でのゲノム改変が可能であるジンクフィンガーヌクレアーゼ(ZFN)を利用して、JMML発症原因となるPTPN11遺伝子変異について、修復や導入を行い、単一遺伝子変異の有無による細胞増殖能の違いを解析することを目的とした。 PTPN11 226G>A変異部位の周辺配列特異的なZFNを設計した。本ZFNはin silico解析から非特異的オフターゲット効果は認められなかった。PTPN11 226G>A変異陽性iPS細胞についてシングルセル化処理後に、正常塩基への置換を行う変異修復用プラスミド(ピューロマイシン耐性遺伝子含む)とZFNを同時にヌクレオフェクションし、iPSコロニーを得た。ダイレクトシークエンス法により、正確な位置で変異塩基から正常塩基への修復を確認した。遺伝子改変がホモタイプかヘテロタイプかについて、ドナープラスミド上に人為的に導入したNcoI切断配列(塩基置換A>C)をダイレクトシークエンス法によって確認した結果、変異塩基の修復はヘテロタイプであった。iPS細胞のシングルセル化や遺伝子導入法の検討に時間を要したため、最終的な血液細胞分化実験まで行うことが出来なかった。現在、PTPN11変異陰性iPS細胞についても、同様の方法で変異塩基を導入した細胞を樹立している。今後、これらの遺伝子改変iPS細胞からCD34陽性細胞を誘導し、その動態の違いを解析し、JMML発症機構の解析を行いたい。
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Research Products
(2 results)