2015 Fiscal Year Research-status Report
非結核性抗酸菌の特徴に着目した抗酸菌症治療方針策定の試み
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15K19181
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| Research Institution | International University of Health and Welfare |
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Principal Investigator |
多田納 豊 国際医療福祉大学, 薬学部, 講師 (70432614)
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2015-04-01 – 2017-03-31
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| Keywords | 非結核性抗酸菌 / MAC / VNTR / 遺伝子型別解析 / 迅速診断 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
平成27年度は、栃木県内より得た菌株15株および島根県内より得た菌株25株に対してVNTRのTR数を求めた。栃木株15株についてのVNTR遺伝子型別解析の結果、2グループにわかれた。また、以前に解析した島根株24株のデータとともに、計64株についてのVNTR型別解析を行った結果、大きく2つのグループに分けられた。以前に解析した島根株24株はVNTR型別により、3つのグループに分けられたが、今回、他の地域から得られた菌株が加わり、供試する菌株の数が増えたことにより、2グループに改編される形となった。また、以前に解析した島根株24株においては、VNTR型別で分けられた3グループのうち、1グループはキノロン高感受性、その他の2グループはキノロン低感受性を示していたが、今回、2グループへと改編された際には、キノロン低感受性の2グループが1グループに纏まる形となり、キノロン高感受性のグループと分かれた。
また、栃木株について薬剤感受性試験（MICの測定）を行った。栃木株15株のみのVNTR型別で分かれた2グループ間で、キノロン感受性に差が認められた。また、上記の全64株のVNTR型別の結果においても、栃木株のキノロン高感受性を示したグループは、島根株24株におけるキノロン高感受性グループと同一のグループに属した。これらの成績から、解析対象となる集団が大きくなったとしても、VNTR型別によりキノロン高感受性グループとして区別出来る可能性が示唆された。
また、薬剤感受性試験は、現在、7HSF液体培地を用いた系で行っているが、解析時間の短縮およびその臨床応用を目指し、Real Time PCRを応用した迅速な薬剤感受性測定系の確立を目指し、条件検討を行った。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
平成27年度は、職場の異動に伴い、研究環境の整備からのスタートとなったため、本研究課題自体の開始が遅れた。また、研究設備においても、それまでの職場の状況と大きく異なったため、前任校をはじめとする他大学との連携体制を整える時間が必要であった。
しかし、複数の地域からの菌株の収集が出来つつあり、また、VNTR遺伝子型別と菌の性状（薬剤感受性）との相関性も解析が進みつつあるため、概ね順調と判断した。
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| Strategy for Future Research Activity |
平成27年度に、栃木県、島根県、大阪府、福岡県の患者由来非結核性抗酸菌株を獲得する環境を整えることができ、菌株の獲得が着実に進んでいる。また、VNTR遺伝子型別と菌の性状との相関性についての解析も進みつつある。平成28年度は、得た菌株のVNTR遺伝子型別解析と薬剤感受性についての解析をさらに進め、VNTR遺伝子型と性状（薬剤感受性）との関連性に加え、その地域差について、詳細に検討する。
また、当初の予定通り、菌株の特性（種々の薬剤に対する感受性）を強く反映する遺伝子領域を探索するための全ゲノム解析を実施する予定である。本解析により見出された遺伝子領域は、遺伝子型別解析に応用する。
さらに、実際に臨床現場で用いられた抗菌薬の効果について、該当患者由来の菌株の遺伝子型に基づく薬剤感受性の予測結果との照らし合わせを行う予定である。これにより臨床現場において有効に利用できる遺伝子型別解析システムの確立を目指す。
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| Causes of Carryover |
平成27年度は、研究代表者が職場異動したため、研究環境の整備に時間を要した。そのため概ね順調に研究が進んではいるものの、当初の研究計画通りには進んでおらず、平成27年度に計画していた全ゲノム解析を当該年度中に実施することが出来なかった。そのため、外注での全ゲノム解析に使用する予定であった金額分が次年度使用額として生じた。
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| Expenditure Plan for Carryover Budget |
平成27年度末から全ゲノム解析の実施に向けて、準備が進行しており、平成28年度は全ゲノム解析を実施する。それに伴い、この度生じた次年度使用額分が必要となる。
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Research Products
(6 results)
