2017 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of drug susceptibility prediction system based on VNTR genotyping of Mycobacterium avium
Project/Area Number |
15K19181
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Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
多田納 豊 国際医療福祉大学, 薬学部, 講師 (70432614)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 非結核性抗酸菌 / Mycobacterium avium / 薬剤感受性 / VNTR / キノロン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成29年度は、大阪府由来株26株(前年度の24株に加えて大阪株は計50株)と福岡県由来18株について、VNTR遺伝子型別解析および薬剤感受性の検討を行った。大阪府由来株のVNTR型別解析では、前年度の24株で2グループに分けられたのに対し、計50株となった今回は3つのグループに分けられた。そのうち1グループがキノロンに対する高感受性グループとなる傾向を示した。他方、福岡県由来株は、VNTR型別解析により2グループに別れた。また、薬剤感受性試験を実施した結果、シタフロキサシンについては、この2グループ間で有意な差が認められた。 次に、これまでに実施してきた島根・栃木・大阪・福岡株について、複数地域を合同したVNTR型別解析を行い、そのグループ分けに基づく薬剤感受性の違いについて検討した。4府県について混合した場合のVNTR型別解析の結果、大きく2グループに分けることができた。一方のグループはキノロン高感受性グループを、もう一方のグループは低感受性グループを形成し、統計解析によりキノロンに対する感受性もグループ間で有意な差を示した。ただし、福岡株については、福岡単独地域においてシタフロキサシン高感受性グループに属したにも関わらず、複数地域合同においては低感受性グループに属した株が約半数認められた。本結果から、福岡株においては他の地域と比べて地域差を考慮しなければならない可能性が示唆された。 また、薬剤感受性を予測するための、より有効な遺伝子領域(VNTR領域またはSNPsなど)を明らかにするため、キノロン高感受性株と低感受性株についてPacBioによるシーケンス解析を行った。抗酸菌のゲノム精製手法を確立し、計5株の解析を実施することができた。今回の実験により得た情報をベースとして全ゲノム解析を行うことにより、薬剤感受性を予測するためのより有効な遺伝子領域の決定を行うことが可能であると考えられる。
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Research Products
(14 results)