2016 Fiscal Year Research-status Report
成人T細胞白血病における腫瘍由来エクソソームの機能解析と臨床応用
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15K19183
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
佐々木 大介 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (90624784)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | エクソソーム / miRNA / ATL |
Outline of Annual Research Achievements |
体液中に存在するmiRNAは多くの細胞などと共に細胞から分泌された脂質二重膜で形成された微小な小胞・エクソソーム中に存在することが明らかとなっており、セカンドメッセンジャーとしてエクソソームを取り込んだ細胞の中で機能していることが知られている。またHTLV-1感染細胞株の培養上清より回収されたエクソソームにはHTLV-1ゲノムによりコードされる転写制御因子であるTaxを含んでいることも報告されている。これらのことよりHTLV-1感染細胞より分泌されるエクソソームは様々な細胞に影響を及ぼしている可能性がある。本研究ではmiRNAに特に着目し、ATL患者血漿よりエクソソームを分離、RNAの抽出を行いマイクロアレイを用いたmiRNAの発現解析を実施した結果、病期の進行に伴い発現の変動(増加および減少)が示唆されるmiRNAが見出された。このことよりエクソソームに含まれるmiRNAはセカンドメッセンジャーとして血液中に循環する細胞に影響を与えていることが示唆された。そのため患者由来エクソソームを蛍光色素で標識し、免疫担当細胞に与える影響を調べるため樹状細胞株であるCAL1へのエクソソームの取り込みを検証したが、今までのところ明確なエクソソームの取り込みは確認できていない。その為、次年度でも引き続きエクソソーム取り込みの条件検討を樹状細胞株およびB・T細胞由来の細胞株についても行い、エクソソーム取り込みによる細胞における遺伝子発現の変化や細胞増殖への影響の有無、可能であればサイトカイン分泌などへの影響についても調べていきたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
エクソソームの取り込み条件の検討が不十分であり、免疫担当細胞への影響の評価ができていない。現在取り込み条件や標識の方法などについて検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
B細胞由来細胞株やT細胞由来細胞株に対しても同様のエクソソームの取り込みによる影響の評価を行っていく。
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Causes of Carryover |
計画していた実験の条件設定に手間取り実験計画に遅れが生じ、以降の実験に必要な試薬を購入しなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
以降の実験に必要な試薬の購入および成果発表や研究に関する情報収集のための旅費などに使用する。
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