2015 Fiscal Year Research-status Report
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15K19200
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
川嶋 基敬 群馬大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (50638989)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 線量分布 / 計算誤差 / 計算速度 / 位置決め |
Outline of Annual Research Achievements |
現在の高精度放射線治療では治療時の体位で撮像した数日前のCT 画像を基に治療計画を作成する。そして、画像照合により幾何学的に同様な体勢を維持して実際の照射を行う。しかし、全く同じ状態を再現することは非常に困難である。本研究の目的は位置決め時の画像で線量分布を計算して、放射線が標的に計画通りに照射されるか確認するシステムの構築を目指す。 このシステムを臨床で使用できるスペックで構築していくためには、線量分布の計算速度と精度は非常に重要なポイントとなる。患者の位置決めでは既に患者が治療をする状態で待機している事となる。そのため、線量計算などで位置決めに時間がかかってしまうと、治療時間内の動きは大きくなってくる。また、予期せぬ動きの確率も高くなる。また、線量計算の精度は位置決めに対する誤差が大きくなってしまう。 計算の速度と精度に影響を及ぼすファクターは様々な要因があるが、計算グリッドは両方に影響を及ぼす大きな要因の一つである事は既に知られている。計算グリッドのサイズを大きくすると計算時間やメモリで大きく貢献するが、当然計算の精度が悪くなる。そのために、精度が悪くならない程度でグリッドサイズを大きくする事が重要となる。しかし、照射方法によって計算誤差の影響は異なるために、最新のX線治療における照射方法(VMAT)を用いた誤差を定量的に解析した。 これによりペンシルビームでの線量分布で患者の位置決めが可能か確認し、かつ計算グリッドに関する条件は限界まで縮めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
計算グリッドにおける線量計算の誤差は既に論文化されている内容であった。しかし、論文自体が限定的な環境における内容であったため、本研究に対してその内容を確認せずに適応することができるかが分からなかった。そのために本研究に必要なデータとして再度検証した。また、その結果が限定的である事が分かったために、論文として投稿している。
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Strategy for Future Research Activity |
線量計算を行っていく上での条件が明確になったので、今後コードの開発を進めていく。また、現在のシミュレータである治療計画装置で実際に本研究の優位性を明らかにしていく。
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Causes of Carryover |
計算コードを動かす前であったため、現状のスペックのパソコンで問題がなかった。そのためにPCの購入を見送った。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実際に動かすときにはスペックを上げたものを使用する。同様な理由で購入予定。
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