2015 Fiscal Year Research-status Report
非侵襲的超音波による血管閉塞性疾患治療後の血管再閉塞予防法開発の基礎検討
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15K19208
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Research Institution | Nihon Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
澤口 能一 日本薬科大学, 薬学部, 助教 (20735477)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 非侵襲的超音波 / 脳梗塞二次予防 / 血栓成長抑制効果 |
Outline of Annual Research Achievements |
H27年度の研究計画について、一部研究計画に変更があったため、研究計画が多少遅延しているが、おおむね良好な成果が得られたと考える。 変更点については、(1)血栓成長抑制効果について50 kHz~2.5 MHzの周波数の超音波を用いて検証する予定であったが、研究協力者の助言を受け、500 kHz~2.5 MHzに変更したこと(300 kHz以下の超音波を用いると脳障害のリスクが増大する報告があるため)。(2)超音波による血栓成長抑制効果を評価する実験系の追加。すなわち、吸光度法による血栓成長抑制効果の評価に加え、グローバルスタンダードに用いられる重量法による評価を追加したとこである。 研究実績については、1.ウシ及びヒト血漿で作製した血栓成長モデルを用い、in vitroにて超音波による血栓成長抑制効果について検証した。その結果、500 kHzの非侵襲的超音波を照射するだけで、ウシおよびヒトの血栓成長モデルにおいて、顕著な血栓成長抑制効果を示した。また、500 kHzに加え、1 MHz, 2 MHzの周波数の超音波を用いて検討を行った結果においても顕著な血栓成長抑制効果を認め、さらに超音波の周波数と血栓成長抑制効果の関係を明らかとした。 2.一方、超音波の駆動方式(連続波、パルス波)について十分な検証ができなかったが、実験系は上記と同様であるため、パルス波超音波の駆動方式が決まり次第、データ取得を開始する。 現在、超音波の周波数の違いによる血栓成長抑制効果についての研究成果を取りまとめ論文投稿準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画の遅延は、一重に新たに実験系を追加・構築せねばならなかったことに起因する。 現在は新たな実験系の構築も完了し、データも得られているため、今後の研究に支障はない。
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Strategy for Future Research Activity |
H27年度の研究計画に多少の遅延はあったものの、現在研究は良好に進行している。また、H28年度の研究計画については、すでに検討を開始しており、H27年度の遅れを取り戻しつつ、H28年度の計画も同時遂行できると考えられる。
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Causes of Carryover |
研究の進行状況でも説明した通り、本研究を遂行するために実験系を追加する必要があり、実験系の構築に時間がかかったため、消耗品(ウシ・ヒト血漿)を予定通りに使用できなかったためである。 また、ウシ・ヒト血漿は凍結乾燥品もしくは冷凍品であるが、長期間の保存は血漿成分の劣化が実験結果に影響を及ぼすため、血漿を早めに購入することを避けたためである。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
前年度の計画に使用できなかった分の血漿を購入する。 なお、現在研究はスムーズに進行しており、前年度の遅れをは十分に取り戻せると考えている。
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Research Products
(3 results)