2017 Fiscal Year Research-status Report
運動器へのカテーテル塞栓術における至適プロトコールの検討
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15K19209
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
小黒 草太 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (50383716)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | 運動器 / カテーテル / 塞栓術 |
Outline of Annual Research Achievements |
3年計画の3年目。本研究の目的はブタを使った動物実験で四肢末梢へのカテーテル塞栓術を行い、塞栓物質の違いによる塞栓効果を比較検討し、また、病理的見地から四肢末梢への障害を検討し、運動器へのカテーテル塞栓術における最適なプロトコールを解明することである。本年度はブタ2頭を用いた確認実験を行った。まず、無水エタノールを腱板に注入し、慢性腱板炎モデルを作成した。血管造影にて慢性腱板炎の部位に一致して異常増強効果の有無を確認後、2頭のブタに対して上腕動脈の末梢からチエナムを用いた塞栓術を行った。塞栓後2週間飼育し、運動制限が出現しないかを観察した。その後、再度血管造影を行い、異常増強効果の再出現の有無を確認。最後に靭帯と皮膚の病理標本を作成して評価した。 結果:いずれのブタにおいても血管造影上、慢性炎症の部位に一致して微小な血管の増生が確認され、チエナムを用いた塞栓によってその異常血管が描出されなくなることを確認した。昨年度の実験で、末梢側からエンボスフィアで塞栓した際には、皮膚の壊死や微小膿瘍が出現したが、今年度の実験で末梢速からチエナムで塞栓した際には、軽度の炎症細胞浸潤が見られる程度であった。 本年度研究のまとめ:慢性腱炎症モデルは安定して作成可能であることが確認された。末梢側からチエナムを注入しても皮膚の壊死は見られなかった。これらの結果によりチエナムを用いた運動器へのカテーテル塞栓術は、安全に行うことができることが判明した。現在論文作成中であり、本年度中の雑誌掲載を目指している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね順調に進展しているが、論文作成でやや時間がかかっており、延長申請を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度中に論文提出を行う。
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Causes of Carryover |
現在論文の作成中だが、英文校正を行う必要があるため、やむを得ず延長申請を行った。
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