2015 Fiscal Year Research-status Report
放射線治療用コーンビームCTの散乱線除去グリッドの開発
Project/Area Number |
15K19211
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
臼井 桂介 順天堂大学, 医学部, 助教 (20714132)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コーンビームCT / 散乱線 / X線グリッド / モンテカルロシミュレーション / 放射線治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では放射線治療装置付属のコーンビームCTの画質改善を目指し、画質の劣化に大きく影響を与える散乱線を除去することを目的とした新しいX線グリッドの開発を行っている。このコーンビームCTへの散乱線を除去することにより、放射線治療時の位置合わせ画像の画質が向上でき、従来よりも正確に患者の位置照合を行うことができる。また画像を構成する画素値の定量性を確保できることから、コーンビームCT画像を利用して正確な体内の放射線の線量値を計算することができる。 今年度は主にコンピュータシミュレーション計算により、放射線治療用のコーンビームCT装置に最も適したX線グリッドの構造と材質の検討を行った。この結果、X線の吸収が少ないカーボンファイバーを支持体に使用し、またこれまでのX線グリッドよりも高い格子比となる構造にすることで、被検体から発生する散乱線を効率的に除去でき、また直接線の吸収を最小限に抑え、コーンビームCTの画質改善が実現できる可能性を示すことができた。 来年度はX線グリッドの制作を行い実機による検証実験を行う予定である。しかし、これまでの研究成果から支持体の使用による直接線の吸収が非効率的であり、本研究で目指す画質レベルに到達できない可能性がある。そのため、支持体を使用しない新たなグリッド構造を作成することを目指している。これにより、直接線の吸収が無い理想的なX線グリッドが作成できると考えている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度の目標であるグリッド構造の検討を行うことができた。 また、その問題点を明確にし、新たな構造の設計を行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
X線グリッドの支持体を無くした、新しい構造のX線グリッドの開発を目指し、シミュレーション計算と実機の制作を行う。 現在、設計したグリッドの制作作業を進めており、今後は実験検証を行う予定である。
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Causes of Carryover |
X線グリッドの設計と発注ができていないため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
X線グリッドの発注を行い、実機の購入を目指す。
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