2016 Fiscal Year Annual Research Report
Development of antiscatter grid for cone-beam computed tomography in radiation therapy
Project/Area Number |
15K19211
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
臼井 桂介 順天堂大学, 医学部, 助教 (20714132)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | X線グリッド / コーンビームCT / 画像誘導放射線治療 / 画質評価 / シミュレーション計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では放射線治療装置に付属したコーンビームCTの画質改善を目指し、再構成画像内の画質劣化の大きな要因となる、被検体から発生した散乱線が検出器へ到達することを防ぐための、X線グリッドの開発を行った。この検出器への散乱線の影響を除去することにより、画像内の画素値の定量性を高めることが可能となり、放射線治療時の位置合わせ精度の向上が期待できるのみならず、コーンビームCTを直接的に利用した人体内の放射線量の計算にも利用できることが期待されている。 本研究では、まずシミュレーション計算により放射線治療用コーンビームCTに最も適していると考えられる、X線グリッドの構造と材質の検討を行った。この結果、X線の吸収が低い材質であるカーボンファイバを中間物質とし、遮蔽材の鉛伯を格子状に配置した構造とすることで、従来のものよりも高い格子比を実現し、直接線の減衰を抑えて散乱線の除去効果を高めることを可能とした。しかしながら、さらなる画質改善の効果を高めるためには中間物質による直接線の減衰が非常に問題となったため、平行に整列したタングステンプレートを交差し重ね合わせて配置した中間物質を用いない新たな構造となる、ダブルスリット型コリメータの開発を行った。このダブルスリット型ではタングステンプレートをグリッド枠のガイド溝に沿って配列させることで、板の角度や間隔を非常に簡易的で安価に作成することができる。また、シミュレーション計算により従来型パラレルホールグリッドと同等以上の画質改善効果が得られることが明らかとなったため、その後試作品の作成を行った。 試作型ダブルスリットコリメータでは、タングステン板を100μm間隔で均等に配置することが困難であることやX線検出器の空間分解能との干渉により、X線画像からグリッド縞を抑制することが困難であること等の問題が発生しているため、さらなる改良を考案している。
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