2015 Fiscal Year Research-status Report
日本の一般住民において食習慣が臨床および画像により評価した認知機能に及ぼす影響
Project/Area Number |
15K19225
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Research Institution | Shiga University of Medical Science |
Principal Investigator |
宮川 尚子 滋賀医科大学, 医学部, 特任助教 (20388169)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 認知機能 / 食習慣 / 一般住民 / 脳MRI |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究のコホートは滋賀県草津市の地域住民から無作為に抽出された40歳~79歳の一般住民約1100人を対象としている。 1.頭部MRI撮像の評価用画像データベースを作成した:2006年~2008年に詳細な生活習慣・社会経済的要因に関する問診,血液・尿検査,潜在性動脈硬化指標,家庭血圧等の検査を実施した40~79歳の地域住民男性約1100人のうち,2010年~2014年に実施した追跡調査に参加した約850人を対象とした。このうち,脳の形態評価は頭部MRI撮像を実施できた約700人を対象としてデータベースを作成した。 2.頭部MRI撮像を用いた脳の形態評価:脳の形態的変化について,大脳萎縮や大脳白質病変容積をSPM8 (statistical parametric mapping) を用いて形態的変化の評価を実施中である。 3.調査データの解析:認知機能検査(Cognitive Abilities Screening Instrument: CASI、0~100点[スコア]にて評価)を受診した約800人について,血中脂肪酸レベルおよび食事摂取頻度調査により評価した食習慣と認知機能の関連を検討した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
頭部MRI撮像を用いた脳の形態評価のうち,白質病変容積の計測について,使用を予定していたソフトウェアがうまく稼働しなかったため,ソフトウェア開発者と対応策について検討していた。対応方法は決定し,評価に用いるソフトウェアを新規購入して実施することになったため,次年度以降は研究計画に沿って進められると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
1.頭部MRI撮像を用いた脳の形態評価:前年度より実施しているSPM8を用いた大脳萎縮の程度や大脳白質病変容積の測定による脳の形態評価を完成させる。 2.日本人一般集団における脳の形態的変化との関連を,1) 年齢階級別分布,2) 無症候性脳血管障害有無やその程度,3) 潜在性動脈硬化指標(冠動脈石灰化,頸動脈内膜中膜肥厚度,等)と古典的危険因子(糖尿病,脂質異常症,メタボリックシンドロームなど),4) 血中脂肪酸レベルとの縦断的関連,5) 食事摂取頻度調査による食習慣との横断的・縦断的関連,6)食習慣と認知機能との関連と潜在性動脈硬化指標の介在の有無,またはその程度,について,適宜,交絡因子を調整した多変量解析を用いて解析する。 3. 研究成果報告:解析結果は,漸次,学会,論文を用いて公表・発表する。
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Causes of Carryover |
頭部MRI撮像を用いた脳の形態評価のうち,白質病変容積の計測について,使用を予定していたソフトウェアがうまく稼働しなかったため,ソフトウェア開発者と対応策について検討し,対応策が決定するまで機器購入を見合わせていた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
上記問題について,ソフトウェア開発者と対応策について検討し,評価に用いるソフトウェアを新規に購入して実施することになった。使用ソフトウェアの決定に伴い,機器のスペックも決定できたため,次年度早期にソフトウェアおよび機器を購入し,計画通りに使用予定である。
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