2016 Fiscal Year Annual Research Report
Epidemiological elucidation for preventive effects of coffee on colorectal cancer using genetic information
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15K19236
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Research Institution | Aichi Cancer Center Research Institute |
Principal Investigator |
中川 弘子 愛知県がんセンター(研究所), 疫学・予防部, 主任研究員 (70738608)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | コーヒー摂取 / 大腸がん / ゲノムワイド関連解析 / 遺伝子多型 |
Outline of Annual Research Achievements |
大腸がんは2012年がん罹患統計において男女共に2位の罹患率のがんである。コーヒーが大腸がん予防に有用であるとの期待が高まっているものの、大腸がんリスクにおけるコーヒーの効果は未だに確立されておらず、更なるエビデンス構築が必要とされる。我々は、コーヒー摂取と大腸がん部位別の発症リスクについて症例対照研究を実施しメタ解析により検討を行った。愛知県がんセンター病院疫学プログラム(HERPACC)への参加者を対象とした2つの症例対照研究 [HERPACC-I(1988-2000年)とII(2001-2005年)] を実施。対象はHERPACC-Iの大腸がん症例1867名と非がん症例9335名、HERPACC-IIの大腸がん症例829名と非がん症例4145名である。コーヒー非摂取群と比べ、コーヒー摂取群(1日に1杯未満、1ー2杯、3杯以上)の統合オッズ比は、それぞれ0.88(95%CI:0.77-1.00), 0.90(0.80-1.01)、0.78(0.65-0.92)、傾向性p=0.009であった。部位別リスクについて同様に評価したところ、コーヒーを非摂取群と比べ、3杯以上/日飲む群の統合オッズ比は、右側、左側結腸、直腸それぞれ、0.97(95%CI:0.62-1.53), 0.76(0.55-1.07)、0.77(0.55-1.07)で、傾向性p値はそれぞれ、0.833、0.048,0.068と、特に左側結腸で有意な関連がみられた。コーヒー摂取と全体および特に左側結腸がんリスク低下との関連を示した。さらに、我々はゲノムワイド関連解析を実施し、日本人におけるーヒー摂取行動に関連した遺伝子多型の検索を行った。その結果、12q24領域がコーヒー摂取行動と関連する領域であることを突き止めた。コーヒー摂取、コーヒー摂取行動遺伝子多型、大腸がん罹患リスクの一元的な評価に繋がる成果である。
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Research Products
(10 results)