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2017 Fiscal Year Research-status Report

ネコロタウイルス様ヒトロタウイルスの起源の解明

Research Project

Project/Area Number 15K19246
Research InstitutionNagasaki University

Principal Investigator

金子 美穂 (後藤美穂)  長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 助教 (50599909)

Project Period (FY) 2015-04-01 – 2019-03-31
Keywordsロタウイルス / 種間伝播 / 全ゲノム解析
Outline of Annual Research Achievements

近年、国内外においてネコロタウイルスと類似の遺伝子型構成をもつロタウイルスがヒトから相次いで検出されているが、このようなネコロタウイルス様ヒトロタウイルスの起源は明らかとなっていない。本研究は、日本のネコから分離したネコロタウイルスの全ゲノム解析を行い、ネコロタウイルス様ヒトロタウイルスと比較することにより、ネコとヒトの間におけるロタウイルスの伝播と進化の過程を理解することを目的とする。
平成29年度は、抽出RNA中のロタウイルスゲノムを標的とした定量RT-PCRによりロタウイルス陽性(Ct<40)と判断したネコ糞便サンプルについて、既知のネコロタウイルスに特徴的なG遺伝子(G3・G6遺伝子型)とP遺伝子(P[3]・P[9]遺伝子型)をPCRにより増幅することを目的として設計したプライマーを用いて、抽出RNA中に含まれるロタウイルスのG-P遺伝子型の決定を試みた。その結果、G3・G6遺伝子型やP[3]・P[9]遺伝子型をもつロタウイルスの遺伝子の増幅は見られなかったが、G2遺伝子型をもつロタウイルスのG遺伝子の断片が増幅された。これまで、既知のネコロタウイルスのうちG-P遺伝子型が決定されたものはすべてG3遺伝子型またはG6遺伝子型を有しており、ネコからのG2ロタウイルスの検出はこれが初めての例である。また、得られたG2遺伝子は既知のヒトロタウイルスとの相同性を示したことから、本来はヒトを宿主とするロタウイルスがヒトからネコへと種間伝播した例である可能性が考えられた。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

平成29年度に解析を行ったネコ糞便サンプル中に、全ゲノム解析の優先的な対象となるG3P[9]遺伝子型やG6P[9]遺伝子型をもつロタウイルスを同定できなかったため。また、平成29年12月28日から平成30年3月31日に産前産後休暇および育児休業取得により研究を中断したため。

Strategy for Future Research Activity

設計したプライマーの有効性は確認済みであるので、G-P遺伝子型の決定を困難にしている要因として、ネコ糞便サンプル中に含まれるロタウイルスゲノムが少量であることと、夾雑物によるPCRの阻害が考えられる。ロタウイルス陽性サンプルについては、G-P遺伝子型が決定できない場合でも次世代シークエンサーによるシークエンスを行うことを検討する。

Causes of Carryover

全ゲノム解析に供する検体数が予定を下回り、実施を延期したため。また、平成29年12月28日~平成30年3月31日の期間、研究の中断により研究費を使用しなかったため。
未使用額は次世代シークエンサーによるシークエンスに必要な試薬等の購入に充てたいと考えている。

URL: 

Published: 2018-12-17  

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