2015 Fiscal Year Research-status Report
ニカラグアにおけるシャーガス病監視対応システムが媒介虫生息に及ぼす影響の評価
Project/Area Number |
15K19247
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
吉岡 浩太 長崎大学, 熱帯医学・グローバルヘルス研究科, 助教 (80750041)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | シャーガス病 / 媒介虫対策 / 監視対応システム |
Outline of Annual Research Achievements |
シャーガス病の媒介虫サシガメの家屋生息レベルを調査するため、2/3~24の日程で、中米ニカラグアにて現地フィールド調査を実施した。調査対象地はニカラグア北部エステリ県のプエブロ・ヌエボ市であり、市内に散在する395家屋をターゲットとした。現地では16名の調査員を雇用して7つの調査班を編成し、集落間の移動のためにマイクロバス1台および四輪駆動車1台を借り上げた。結果として、395家屋中のうち341家屋でサシガメ生息調査および関連データの収集ができた。8家屋は一時的に不在、2家屋は調査を拒否、44家屋は転居や家屋建替などのために調査対象から外れた。調査ができた341家屋のうち、41家屋(12%)でサシガメの生息が確認された。この市では、2011、2013、2014年に殺虫剤を使った媒介虫駆除プログラムが実施されており、一時サシガメが生息する家屋の割合が5%以下に減ったことが確認された。その後、生息レベルを低く抑え続けるために、住民と保健行政が協力してサシガメの監視対応システムを導入していたが、今回の調査で、サシガメ家屋生息が予想よりも早いペースで回復している可能性が示唆された。現在、サシガメ生息調査と合わせて収集したリスクファクターを整理しており、今後、どのような要因がサシガメ家屋生息と関連しているのかを、統計学的手法を用いで分析する予定である。分析結果は学術論文として次年度以降にまとめる。また、次年度以降に同規模のフィールド調査を実施し、サシガメ生息レベルやリスクファクターが時間軸においてどのように変化するかを観察、分析する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現地調査が予定通り実施でき、研究に必要なデータを収集することができた。予算執行についても、ほぼ計画通り実施できた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、今年度収集したデータ処理および分析に重点を置き、研究を進める方針である。初年度の現地調査では、過去のデータを活かすために調査デザインを若干変更しており、そのために想定以上のコストがかかることが明らかとなった。そこで、追加のフィールド調査を実施するために、科研費の繰り上げを申請している。
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Research Products
(2 results)