2015 Fiscal Year Research-status Report
世界的なESBL産生菌の拡散に寄与している抗菌薬は何か?
Project/Area Number |
15K19255
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Research Institution | Osaka Prefectural Institute of Public Health |
Principal Investigator |
山口 貴弘 大阪府立公衆衛生研究所, その他部局等, 研究員 (80553635)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 薬剤耐性菌 / ESBL産生菌 / 抗菌薬 |
Outline of Annual Research Achievements |
プラスミド伝達に抗菌薬が与える影響を評価する系(in vitro)を確立するための研究を行った。地球規模課題対応国際技術協力事業(SATREPS)「薬剤耐性細菌発生機構の解明と食品管理における耐性菌モニタリングシステムの開発」で鶏肉及び豚肉から分離した、β-ラクタマーゼ産生大腸菌の一部を用いた(CTX-M-1、9グループ及びAmpCであるCMY-2遺伝子を持つ株:計46株)。これらの株をプラスミド伝達のドナーとし、リファンピシン耐性を持つ大腸菌(c600株)をレシピエントとして、抗菌薬の添加なしでのプラスミド接合試験を行い、株による違いを比較した。この結果より、CTX-M-1及び9を持つESBL株と、CMY-2を持つAmpC株とを比べるとAmpC株の方が、比較的プラスミド伝達が起こりやすいことがわかった。プラスミド接合伝達条件(初期菌量、培養温度及び時間等)を検討し、プラスミド伝達に対する抗菌薬の影響を評価できる条件を決定した。プラスミド伝達株の分離には1 μg/mLのセフォタキシムと100 μg/mLのリファンピシンを添加したLB寒天培地を用い、コロニー数を計測した。株により同一条件での伝達株のコロニー数(CFU/mL)に差があったことから、耐性プラスミドの系統によって差が生じているのではないかと考えた。そこでプラスミドの系統を調べるために、プラスミド伝達株のプラスミドレプリコンタイピングを行った。現在までに8株についてレプリコンタイプを特定し、タイプの異なる2株について、プラスミド接合実験時にキノロン系抗菌薬を添加し、その影響評価を行っているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プラスミド伝達に対して抗菌薬が与える影響を評価するための実験系の確立に取り組んできた。抗菌薬をプラスミド伝達実験に添加し、評価を行っている。今後、プラスミド伝達実験の条件の変更や抗菌薬の添加する条件をさらに検討し、影響評価実験系を確立する。評価する株数を増加させ、抗菌薬のプラスミド伝達に与える影響を明らかにしていく。
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Strategy for Future Research Activity |
平成27年度はプラスミド伝達にかかる条件の検討及び、キノロン系抗菌薬の添加実験を行った。今後は、プラスミド伝達にかかる条件の最適化を行い、キノロン系抗菌薬以外の抗菌薬についても、影響評価を行う予定である。また伝達が起こらない株が存在するため、β-ラクタマーゼ遺伝子がプラスミド上に存在するのであれば、プラスミドの解析及び伝達に関与する分泌系等について研究を進め、プラスミド伝達による耐性菌の拡散に関与する因子の解明に努める。
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Causes of Carryover |
実験備品の購入を予定していたが、所属施設の事情により翌年度以降に購入を計画している。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度使用額を考慮し、計画的に使用していく。また実験備品の購入について所属施設の事情に合わせて、柔軟に対応していく予定である。
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