2017 Fiscal Year Research-status Report
外来患者の構造分析と医療機関の外来機能分化に関する研究
Project/Area Number |
15K19258
|
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
小林 大介 神戸大学, 医学研究科, 特命准教授 (30728176)
|
Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
|
Keywords | 外来機能分化 / 診療コスト / DPC / 原価計算 |
Outline of Annual Research Achievements |
当該年度は、当初の3年の研究計画のうち3年目であった。本研究は医療機関の外来機能分化を誘導するために注目すべき関連要因とその誘導方法をデータにより示すことを目的としている。当該年度は当初の研究を遂行するにあたり、全国42の国立大学附属病院のDPC(Diagnosis Procedure Combination:診断群分類)調査データも登録されている、国立大学病院管理会計システム(HOMAS2)での原価計算の仕組み・配賦ルール等についての調査・分析を進め、診療行為に対する原価コストに関する分析を進めるにあたり必要な情報の収集を行った。この中で、入院症例について疾病や手術有無によっての収益差があるかの分析を行ったところ、手術なし症例、特に入院期間が長いものにおいて、収益にくらべコストがかかっているような例がいくつか見られた。これは、手術ありの症例については、手術部分は包括ではなく出来高算定されることが要因とも考えられた。 研究者の異動もあり研究期間を1年延長し、最終年度は入院データと連結できない外来患者について注目し、国立大学附属病院という地域の「最後の砦」である病院に入院を伴わない外来で、特に特殊な治療や検査をしていないものを機能分化により他の病院へ誘導する対象となる可能性について検討を行う。これらのデータについては、一部制限のかかった形で収集するデータで全体を把握した後、承諾のある病院のデータで個票レベルで注目して分析を行う予定である。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初想定していなかった研究者本人の異動による本務の増大により、本研究に割けるエフォートが減少したこと、また異動先機関での倫理申請を最初からやり直しているために、前所属機関からデータの移管がストップしており研究の遂行に時間がかかっているため。
|
Strategy for Future Research Activity |
これまでは全国立大学附属病院からのデータを収集し分析する機関に所属していたため問題なく使用できていたデータについて、所属変更により現所属機関で倫理申請を通した後であっても一部制限のかかった形での使用となる見込みと通知されたため、個票レベルではない分析を行い、現所属機関を含む承諾をいただいた機関のデータにおいて個票レベルで分析を行うといった2段階での処理を行う必要が出てきた。また、国立大学病院管理会計システムのデータ利用方法についても引き続き検討を進め、分析に利用する。
|
Causes of Carryover |
(理由) 予定していた研究調査(ヒアリング)や学会参加が、研究者本人の所属機関変更等により延期となったため。 (使用計画) 研究調査(ヒアリング)を平成30年6月と7月の学会に合わせて行うこととし、今年度内に論文投稿を行うことにより適正に使用する。
|