2015 Fiscal Year Research-status Report
IT技術を用いた脳卒中超急性期の診療支援システムの教育に関する研究
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15K19266
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
伊佐早 健司 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 助教 (70621407)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | Telestorke / 遠隔医療 / 教育システム / e-lerning |
Outline of Annual Research Achievements |
脳卒中は、わが国の3大死因の一つであるばかりでなく、「ねたきり」や介護が必要となる原因の第一位である。とりわけ脳梗塞の有病者数は、人口の高齢化とともに今後急速に増加すると予測されており、脳卒中の対策は切迫した課題である。 tPA静注療法は、脳梗塞発症時に血栓を溶かす薬を注射する標準的治療法であり、できうる限り多くの脳梗塞患者がこの治療ができる体制を整える必要がある。しかしtPA静注療法は発症から4.5時間以内でないと使用できないため、専門家不在や体制不備により著しい地域格差が存在していることが明らかとなっている。 これを是正し均てん化を図るためには、脳卒中に特化した遠隔医療(Telestoke)の普及が必須である。地域の環境によらずにTelestrokeを導入できる学習システムを構築することができれば、tPA静注療法が可能となる施設が増え、日本国全体の脳卒中診療体制の診療レベルを向上し、要介護者の減少や高騰する医療費の軽減につながる可能性がある。本研究の目的はTelestroke実践に必要な教育システムを、インターネットを用いて構築することである。 これまでに当院と他施設を結んだTelestroke ネットワークを構築・運用を行い、この経験を基に脳卒中超急性期診療における診察方法、必要な情報伝達方法、ネットワーク構築のための条件を確認してきた。これらについて学べるデジタル教材(DVD及びスライド教材)を完成させた。デジタル教材を用いて医療者に学習させ、学習前後のアンケートやシミュレーションにより教材の学習効果を検証中である。今後学習教材の検証と共にe-lerning化を図り、いずれの場所にいてもTelestroke導入に必要な技能・知識が習得でき、実際のTelestroke運用の足掛かりができることを確認する予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究計画書においては計画をStep1-2と分け、平成27年度の目標としてstep1-2の完了を予定していた。Step1でデジタル教材の作成、Step2でデジタル教材を用いた学習効果の検証、Step3で教材のe-leranig化を図り、いずれの環境においてもTelestorke実践に必要な教育システムをインターネットを用いて構築することとした。 これまでの研究にて作製した資料を基にデジタル教材(DVD及びスライド教材)を完成させた。学習効果の検証が進められ、教材により脳卒中超急性期診療の理解、技術習得効果が確認されている。 ただし、目標とする検証人数まで達しておらず、step2完了までに至っていない。また、教育検証を行う連携施設での大量の職員退職により、十分な検証人数の確保が困難となっている。教育検証に協力できる職員、施設などの調整を再度行っており、計画よりもやや遅れていると言わざるを得ない。
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Strategy for Future Research Activity |
教育効果検証の対象者を確保し、早急に検証を完了する。 教育効果検証をする中で、spokeのみならずHubでの教育システムが必要であることが明らかとなったため、これらに必要となる技術・知識の整理、教育教材作成を行う。 すでにspokeへの教材は完成しており、e-lerning化のための技術的課題を確認した上で学習システムを構築し教育効果の検証を行う。
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Causes of Carryover |
本来2年目に行うe-leranig化の費用が予算以上にかかることが分かり、予算を2年目に集中させる目的で使用を控えた。結果、計画書と大幅な解離が生じた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
e-leaningのためのサーバーレンタル費用約40万円、デジタル教材作成及び修正約40万円、e-learning管理費10万円。
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