2018 Fiscal Year Annual Research Report
Application of energy dispersive X-ray spectrometry (EDX) in forensic practice
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15K19273
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Research Institution | Kagawa University |
Principal Investigator |
田中 直子 香川大学, 医学部, 講師 (60700052)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2019-03-31
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Keywords | エネルギー分散型蛍光X線分析 / アルミニウム / スズ / 胸腔内貯留液 / 胃内容 |
Outline of Annual Research Achievements |
1. 感電モデルにおける導体金属の同定について。アルミニウム、スズ、あるいは亜鉛を通電導体とし、エネルギー分散型蛍光X線分析装置(EDX)でホルマリン固定後の皮膚を測定し、それぞれの導体の検出について検討した。さらに、同皮膚のパラフィンブロックを作成し、HE染色した組織標本を作成した。通電群ではEDXで各導体の元素のピークが検出された。組織学的検査では通電群で表皮の核の伸長、柵状配列および表皮内の空胞形成が高頻度にみられた。HE染色ではこのような皮膚の熱傷の所見を確認できるものの、金属自体を証明するための特殊染色は一般的ではない。今回の結果から、肉眼および組織学的検査で金属化現象の証明が困難な通電導体の証明にもEDXが有用であると考えられた。 2. 法歯学における応用について。白骨化事例において金属で修復された歯牙をEDXで測定すると、銀、パラジウム、銅、金の高いピークが検出された。これらが含まれる歯冠修復用金銀パラジウム合金は、日本では保険適用となる歯科治療であり広く利用されている。しかしながら、チタンなど保険適用外の金属もあり、金属を同定することが個人識別の一助となることがあると考えられた。 3. 溺死事例における胸腔内貯留液を用いた水域推定に関する検討について。剖検例の胸腔内貯留液を点滴法にてEDXを用いて測定した。海水溺死事例において、蝶形骨洞内貯留液と同様に塩素と臭素が検出されやすい傾向がみられているが、現在解析中である。 4. 胃内容における薬物摂取のスクリーニングについて。剖検例の胃内容を点滴法にてEDXを用いて測定し、データを蓄積した。現在、摂取薬物と検出された元素の関係性について解析中である。
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Research Products
(4 results)