2015 Fiscal Year Research-status Report
心筋症および心肥大を伴った心臓性突然死の原因遺伝子解析
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15K19276
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
前田 一輔 北里大学, 医学部, 助教 (40724761)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 心筋症 / 心肥大 / LMNA / 遺伝子解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
心臓性突然死のうち心筋症は遺伝子異常が起因となり, 心肥大や心拡張を主体とする病態を呈すといわれている. 我々はこれまでに剖検時心筋症と診断された症例について11種類の心サルコメア構成蛋白質をコードする遺伝子およびmtDNA全領域の解析を行い, 多くの症例に遺伝子異常を見出してきた. 本研究では未だ遺伝子変異が確認されていない症例の原因遺伝子探索および複数遺伝子変異と疾患との関連の検討を目的に拡張型心筋症 (DCM)で多くの変異が検出されているラミンA/C遺伝子 (LMNA)について遺伝子変異解析を行った. 対象は肥大型心筋症 (HCM)14例, DCM18例, 心筋症の既往がなく剖検時, 心重量500g以上で求心性肥大が認められた31例および拡張性肥大が認められた17例である. 各症例について血液および心筋からDNAを抽出し, サンガー法にて解析を行ったところ, 一塩基置換および非同義置換が各5ヶ所ずつ検出された. 今回検出された一塩基置換のうちg.37209T>Cおよびg.61613G>CはExon領域内におけるデータベースにない新たな変異であったが, 蛋白質をコードする領域外であった. さらに, 他の3ヶ所についてはIntron内での変異であった. また, 非同義置換のうちExon10で検出されたp.H566=は一塩基多型であったが, 対照群との間に有意差は認められず, 疾患との関連性は低いと考えられた. 今回, 蛋白質異常をもたらすLMNA変異は確認されなかったが, 引き続き他の遺伝子変異解析を行い, 疾患との関連を明らかにしていく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はラミンA/C遺伝子であるLMNAについて遺伝子変異解析を行った. 収集された全症例についてLMNAのExon領域全ての遺伝子解析を終了した. 今回, 未だ遺伝子異常を認めていない症例について蛋白質に影響をもたらすLMNA変異を確認することが出来なかったが, 平成28年度も引き続き他の遺伝子変異解析を行い, 疾患との関連について検討していく.
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Strategy for Future Research Activity |
今後の研究計画では拡張型心筋症で多くの変異が検出され, 心サルコメアにおけるZ帯構成蛋白質をコードするサイファー遺伝子 (LDB3)およびFHL2遺伝子 (FHL2)の遺伝子変異解析を行う. 同義置換が検出された際にはin silicoスクリーニングおよびリアルタイムPCRを用いて変異alleleの発現量解析を行い, 蛋白質への影響を分析する. さらに臨床データが得られている症例についてはその情報も合わせ遺伝子変異と疾患との関連を検討していく予定である.
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Causes of Carryover |
LMNA変異が検出されたもののいずれの変異も蛋白質に影響を及ぼすと推定されるものではなかったため各種消耗品量が予定より下回り, 未使用の予算が繰り越しとなった.
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
対象症例を随時増やしていく予定であるため, 平成27年度残金については28年度の研究経費と合わせ, 解析に必要なDNAシーケンシングおよびリアルタイムPCR試薬やプライマー合成費用, ピペットチップなどの消耗品等に使用する. また, 研究申請時には北里大学に所属していたが, 平成28年度より鹿児島大学へ異動したため新たに必要な試薬等を購入する予定である.
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Research Products
(2 results)