2016 Fiscal Year Annual Research Report
Mutational analysis of SCN5A gene in sudden cardiac death and its application
Project/Area Number |
15K19277
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Research Institution | Kitasato University |
Principal Investigator |
村上 千香子 北里大学, 医学部, 講師 (30433717)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心筋症 / SCN5A / 致死性不整脈 |
Outline of Annual Research Achievements |
先天性QT延長症候群(LQTS)を原疾患とする心臓性突然死の実態を把握することを目的に当教室で解剖された症例についてSCN5A遺伝子の変異解析を行った。 前年度に引き続き、最終年度は心疾患として心重量が450g以上あり、かつ剖検時に求心性あるいは拡張性心肥大の所見が認められた心肥大(CH)46例を用いて変異解析を行ったところ、CH1例でp.Trp1095Cysが検出された。変異があった箇所の配列保存性や化学的な特徴、さらにタンパク質構造やドメイン情報をもとに変異がタンパク質の機能に及ぼす影響を数値化する公知の予測ツールであるPolyPhen-2(http://genetics.bwh.harvard.edu/pph2/)を用いてp.Trp1095Cysを解析したところ、病原性変異が示唆されるpossibly damaging (0.651)と判定された。p.Trp1095Cysはドメイン同士を近づける働きがあるインタードメインリンカーに位置していることからタンパク質構造に変化がみられた可能性が考えられた。また、検出された多型について対照との間で有意差検定を行ったところ、c.482+184G>AでCHに有意差が認められた。心不全が起こる際RBM25とLUC7L3の発現が増加し、これらの作用によりSCN5Aのスプライシング変化が起こり、SCN5Aバリアントが増加することがわかっている。今回、心筋におけるこれらSCN5Aバリアントの発現をmRNA(RT-PCR)で検討を行ったところ有意差は認められなかった。今後、症例の死後経過時間も考慮に入れ、症例数を増やしてさらなる解析が必要であると考えられた。
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Research Products
(1 results)