2016 Fiscal Year Research-status Report
高齢者に対する個別化された鎮静を用いた低侵襲な気管支鏡検査の確立
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15K19282
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
岡地 祥太郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 病院助教 (30742407)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 気管支鏡 / 高齢者 / ミダゾラム / 鎮静 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、高齢者に対する気管支鏡の安全性と有効性について明らかにし、適正な鎮静法を確立することを目的としている。肺癌をはじめとした呼吸器疾患は高齢者に多く発生し、気管支鏡はその診断に欠かせない検査である。一方気管支鏡検査や鎮静剤使用によって感染、低酸素血症、出血などの合併症も起こりうるため、その安全性やリスク因子について検討することは重要である。前年度行なった後ろ向き観察研究を発展させ、2011年4月から2016年3月までに施行した80歳以上の高齢者に対する気管支鏡検査のうち、悪性腫瘍と最終的に診断された患者108例の診断率や合併症、転帰について検討した。年齢中央値は82で8名がPS2以上であった。48%はCharlson comorbidity index (CCI)が2以上の併存疾患を有していた。全例がミダゾラムによる鎮静下に行われた。95名が鉗子生検を、20名がendobronchial ultrasound-guided transbronchial needle aspiration (EBUS-TBNA)を受けた。合併症は22名に起こり1名の重症の呼吸不全、4名に肺炎があった。合併症があった群となかった群の比較では患者背景や検査手技に有意な差は見られなかった。88名(81.4%)で気管支鏡による悪性腫瘍の診断が成功した。最終的に73名(67.5%)が手術、放射線治療、化学療法などの治療を受けた。これらの研究から80歳以上の高齢者におけるミダゾラムを併用した気管支鏡の診断率、合併症発生率が示された。また、ミダゾラムの血中濃度や鎮静度に関する前向き臨床研究のプロトコールを作成し、現在倫理審査を受けている段階である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初計画していたデータベースを用いた高齢者の気管支鏡検査についての後ろ向き臨床研究はやや遅れてはいるものの着実に進行し、結果を学会発表している。 前向き登録の臨床研究(ミダゾラム血中濃度や遺伝子多型と効果、有害事象などについての検討)に関しては遅れてはいるが、プロトコールを作成終了し、現在倫理申請を受けているところである。
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Strategy for Future Research Activity |
データベースからの後ろ向き研究は、高齢者の肺癌患者における気管支鏡の安全性、有用性を明らかにするために、今後さらに解析を進めて論文化を予定している。 前向き登録試験はできるだけ早く患者登録を開始、終了し解析を進めて発表を行いたいと考えている。
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[Journal Article] Factors Affecting the Diagnostic Yield of Transbronchial Biopsy Using Endobronchial Ultrasonography with a Guide Sheath in Peripheral Lung Cancer2016
Author(s)
Shotaro Okachi, Naoyuki Imai, Kazuyoshi Imaizumi, Shingo Iwano, Masahiko Ando, Tetsunari Hase, Hiromichi Aso, Masahiro Morise, Keiko Wakahara, Satoru Ito, Naozumi Hashimoto, Mitsuo Sato, Masashi Kondo and Yoshinori Hasegawa
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Journal Title
Internal Medicine
Volume: 55
Pages: 1705-1712
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Acknowledgement Compliant
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