2015 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
15K19293
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
阿江 竜介 自治医科大学, 医学部, 助教 (70554567)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | CDI / 高齢者施設 / 老年医学 / プライマリ・ケア |
Outline of Annual Research Achievements |
昨年度(9月)から多施設におけるコホート研究を実施する予定であったが、各施設のスタッフとよく議論した結果、次の2点に関してさらに準備が必要であることが明らかとなった。1)すべての施設入所者から救急搬送時に「書面上の同意書」を獲得するのは困難である。利用者の家族が遠方からやってくる場合も多々あり、家族に本研究の話題を振るタイミングが難しい。このため同意書の取得は施設スタッフの負担になり、研究の進捗に支障を来す可能性がある。2)学術的に発表されたCDI項目をを適用すべきである。 この2点に関して、次のように対処した。この2点が昨年度の研究実績である。 1)患者情報の取得に関しては、施設で「包括同意」を取得する方針とする。具体的には、各施設内に本研究の概要をわかりやすく記したポスターを掲示し、来訪したご家族などに対して広く公表する。研究により新たに取得するデータは存在しないため、個人の同意は不要となる。この方針で、本年度から研究を実施(継続)する。2)昨年度、従来から継続していた既存の研究データを用いて、CDIに関する学術論文を2本執筆した。それらの論文の中で定義した「具体的なCDI項目」を本研究で適用する方針とする。学術論文:① Geriatr Gerontol Int. 2016 May;16(5):612-7. doi: 10.1111/ggi.12524. ② Geriatr Gerontol Int. 2016 (in press) Mar 23. doi: 10.1111/ggi.12729. これらの理由より、本研究で十分な結果を得るためには、研究期間をさらに1年間延長すべき状況となった。しかし、1年間の延長に伴い、有用な研究結果が得られることが十分に期待できる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
「研究実績の概要」に記すとおりである。
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Strategy for Future Research Activity |
患者情報の取得に関しては、施設で「包括同意」を取得する方針とする。具体的には、各施設内に本研究の概要をわかりやすく記したポスターを掲示し、来訪したご家族などに対して広く公表する。研究により新たに取得するデータは存在しないため、個人の同意は不要となる。 まず、本年度中にCDIに関するチェックシートをすべての対象施設に配布し、救急受診が必要と判断する状況において実際に活用していただく。これを1年間継続する。1年後に、各施設からの承諾のもとで、実際の救急搬送者(患者)の情報を医療機関から取得する。 この方針で、本年度から研究を実施(継続)する。実質的には前向き研究から後ろ向き研究への方針転換となるが、取得情報にほとんど変更はない。ただ、1年間は研究期間が延長してしまう。
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Causes of Carryover |
9.研究実績の内容(1/5)に記載したとおり、昨年度は2つの問題により、研究が従来の計画通りに進捗できなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今年度は、上述の(今後の推進方策)に具体的に記載したとおりに研究を確実に実施する。そのため各対象施設に足を運び、チェックシートの配布と使用方法の確認をはじめ、入念な調整が必要となる。研究費の使用は、旅費が中心となる。さらに、研究成果をより学術的にアウトプットできる能力の養成と向上を目的として、今年度中に海外での疫学臨床研究セミナーの受講を予定している(ミシガン大学)。これらの使用計画より、該当金額は適切に使用できると考える。
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Research Products
(2 results)