2015 Fiscal Year Research-status Report
心不全における認知機能低下の機序解明と予後との関連
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15K19298
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
木田 圭亮 聖マリアンナ医科大学, 医学部, 講師 (60465432)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 心不全 / 高齢者 / 認知機能障害 |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者心不全は超高齢化社会を迎えた我が国において主要な社会問題であり、不全心の問題だけではなく、心臓以外の合併症を多く抱えている。本研究では軽度認知障害に注目し、その原因として、糖尿病、高血圧など生活習慣病の認知症との関連が報告されている終末糖化産物(AGEs)であるペントシジンについて検討する。特に、高齢者心不全は左室駆出率の保たれた心不全が多いのが特徴で、そのメカニズムは不明な点が多く、これまで多くの心不全治療薬において臨床試験が行われてきたが、いずれの薬剤においても予後改善効果はなく、本研究の結果が新たな治療戦略の1つになり得る可能性がある。 急性心不全で入院している退院前の心不全入院患者を対象に、認知症の評価と終末糖化産物(AGEs)であるペントシジンの測定を行い、その関連について検討する。心臓超音波検査で心機能(左室駆出率、strain解析など)を測定し、左室駆出率の保たれた心不全を左室駆出率40%以上と定義する。初年度ではテーマ1を開始し、心不全における認知機能低下の機序について解明する。次年度以降では、テーマ2も開始し、心不全における認知機能低下が予後におよぼす影響について明らかにする。特に、高齢者心不全に特徴的な左室収縮機能の保たれた心不全に注目し、心不全と認知機能低下の機序解明、さらには心不全再入院との関連について検討し、心不全再増悪による再入院予防の新たな治療戦略の1つになり得る可能性がある。 全3年間の計画とし、本研究から4~5編の学術論文の作成を目標とする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度のエントリーを50名と想定していたが、現在40名のデータが揃っており、おおむね順調に進展していると判断している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究を遂行するためのシステムはできており、更なるデータの集積を継続したい。
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Causes of Carryover |
参加予定であった国際学会が国際テロの直後であり、参加を取りやめたため、旅費を使用しなかった。また、人件費・謝金についても、使用せず、次年度に持ち越しとした。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
初年度に参加できなかった国際学会に参加したり、助成金を使用して、効率良く、研究を遂行したい。
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