2015 Fiscal Year Research-status Report
超音波内視鏡下経穿刺針的のう胞壁生検による膵のう胞性腫瘍の新たな診断法の確立
Project/Area Number |
15K19301
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
川久保 和道 北海道大学, 医学(系)研究科(研究院), 助教 (80633578)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 膵のう胞性腫瘍 / EUS-FNA |
Outline of Annual Research Achievements |
本邦では、年間約3万人の膵臓がんの罹患数があり、近年増加傾向である。しかも、年間罹患数と死亡数が等しく難治癌の代表であり、安全で有効な診断法および治療法の確立が望まれる。申請者らは、膵のう胞性腫瘍の中で最も頻度の高い、IPMN患者の前向き観察研究を行い、同疾患が膵発癌の高危険群であることを報告してきたが、従来の臨床的手法では膵発癌の超高危険群の同定、早期発見は困難である。しかし、一方では、膵のう胞性腫瘍はCTやMRIといった画像による診断では、約20%と高い確率で間違った診断により、外科的に手術されていたという報告がある。つまり、現在のところ膵のう胞性腫瘍と診断することはできても、正確な組織診断および悪性度診断は困難と言わざるを得ない。したがって、画像診断を凌駕するような、新たな診断方法の開発が求められている。そこで、われわれは超音波内視鏡下穿刺吸引法の技術を応用し、低侵襲で膵嚢胞の組織を採取できるのではないかと考え、臨床試験を計画した。2015年2月に北海道大学病院自主臨床試験審査委員会にて、臨床試験の承認を得、現在までに2例の登録が終わっている。男性1名膵体部嚢胞、女性1名膵頭部嚢胞。いずれの症例において、組織採取を行うことができ、重篤な偶発症を認めていない。得られた検体から、核酸を抽出し、遺伝子解析を進めていく予定である。さらに、臨床試験を進めていき、症例を重ねて、検体採取率を検討していく。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
臨床試験のエントリーが進んでいないため。
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Strategy for Future Research Activity |
臨床試験にエントリーし、超音波内視鏡下経穿刺針嚢胞壁生検を施行していく。手術検体も使用していく予定である。
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Causes of Carryover |
試薬代として予算計上したが、試薬を使い切らなかったため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
次年度に、試薬の購入を予定している。
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