2017 Fiscal Year Annual Research Report
Usefulness as the biomarker and effect in the iron metabolism of new splicing variant of hepcidin with liver cancer origin
Project/Area Number |
15K19302
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
土岐 康通 旭川医科大学, 大学病院, 医員 (90596280)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | ヘプシジン / スプライシングバリアント |
Outline of Annual Research Achievements |
2017年5月27日に第115回北海道癌談話会春期シンポジウムで「肝がん患者血清exosome中に同定したヘプシジンmRNAの選択的スプライシング・バリアントに関する研究」の演題でこれまでの研究成果を発表した. また今年度までに,健常人,慢性肝障害を持つ患者症例,肝癌患者症例において血清エキソソーム中に存在するヘプシジンmRNAのスプライシング・バリアントが検出できるかについて検討を行ってきた.そこで肝癌患者症例ではヘプシジンmRNAのスプライシング・バリアントが検出される症例を認めたが,健常人では検出された症例を認めなかったことから,今年度は肝癌患者以外での癌種における症例での血清エキソソーム中に存在するヘプシジンmRNAのスプライシング・バリアントの検出について検討した.症例は膵癌患者5症例,大腸癌患者2症例,胃癌患者1症例の3種類の癌種,8症例で検討を行った.結果は全ての症例において,ヘプシジンmRNAのスプライシング・バリアントは検出されなかった.血清エキソソーム中に存在するヘプシジンmRNAのスプライシング・バリアントは肝癌患者では検出される一方,他の癌種および健常人では検出されず,また既存の肝癌の腫瘍マーカーとして一般的に利用されている,AFPやPIVKA-Ⅱなどとも明らかな相関を認めなかったことから,血清エキソソーム中に存在するヘプシジンmRNAのスプライシング・バリアントは新規の肝癌の腫瘍マーカーとして有用である可能性が示唆された.
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