2015 Fiscal Year Research-status Report
バレット食道癌の発生母地の差異に基づく発癌機構の解明と新規治療法の開発
Project/Area Number |
15K19304
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Research Institution | Asahikawa Medical College |
Principal Investigator |
野村 好紀 旭川医科大学, 医学部, その他 (70533280)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | バレット食道癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
バレット食道癌(BA)は,円柱上皮化生(CLE),特殊腸上皮化生(SIM)を経て発生すると考えられ,SIMは前癌病変とされている.最近になり,CLEを背景粘膜とするBAも少なくないことが明らかにされた.我々も表在型BAの30.8%はCLEを背景として発生していることを報告してきた.また,CLEを背景粘膜とするBAはSIMによるものに比べ,扁平上皮下伸展を有意に多く認め,発癌機構や生物学的特性が異なる可能性を示した.そこで本研究ではCLE,SIMという異なる背景粘膜から発生したBAについて,1)肉眼的・組織学的検討,2)背景粘膜・BAの分子基盤の解析を行い,それぞれの背景粘膜における発癌機構を解明することを目的とする.MUC2,MUC5AC,MUC6,CD10,CDX2などの免疫染色にて組織学的な検討を行うも明らかな違いは認めなかった.CLE,SIMといったバレット食道の形成に胃酸や胆汁酸による影響が考えられている.そのため,新たに胃酸や胆汁酸による環境因子に注目した.食道正常細胞株であるHet1Aに酸,胆汁酸の異なる環境を作り,分化誘導の違いを検討をおこなっている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CLE,SIMの背景因子による違いの検討では明らかな違いは認めなかった.そのため環境因子に注目し新たに検討を行っている.
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Strategy for Future Research Activity |
新たに食道正常細胞株であるHet1Aに酸,胆汁酸の異なる環境を作り,分化誘導の違いを検討をおこなっている.環境が変化すると発現するRNAにも変化が現れることがわかり,さらにはメチル化などの遺伝的な要因に関しても検討を行うことによってバレット食道癌の発癌機構の解明を行っていく.
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Causes of Carryover |
設定していた消耗品購入費用予定よりも少なかったため
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
研究消耗品の購入および,研究結果の発表,学会参加などに使用する予定
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