2016 Fiscal Year Research-status Report
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15K19318
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
安藤 孝将 富山大学, 大学院医学薬学研究部(医学), 助教 (30600671)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 胃神経内分泌癌 / DNAメチル化 / 血管新生 / VEGFR2 |
Outline of Annual Research Achievements |
これまで胃神経内分泌癌における、腫瘍細胞特異的な遺伝子変異とDNAメチル化異常に着目して研究を進めてきた。今年度は、その他に腫瘍環境に関する検討を行った。 神経内分泌腫瘍は以前より血管新生が高度であることが知られているが、最近、膵神経内分泌癌において血管内皮のマーカーであるVASH-1やnestinの発現はより分化度の高い腫瘍と同様に高度であることが報告された(Yandani S et al., Human Pathology, 2014)。今回、胃神経内分泌癌において、血管新生に関わる因子である、VEGFR2とVEGFに関する蛋白発現を解析すると、非腫瘍部においてその発現レベルは有意に高かった。このため、標準治療が終了した後に、倫理審査を経て胃癌に準じて、抗VEGFR2抗体であるramcirumabと微小管脱重合阻害剤であるPaclitaxelの併用療法を行ったところ著効した。 本症例に基礎的検討を加え、現在論文を投稿中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は血管新生に関する新たな知見が得られたため、これに基づいた治療法の検討及び論文作成に時間を割いた。今後は、再度DNAメチル化とそれによる遺伝子発現低下を通した腫瘍発生に関しての検討を進めていく必要がある。
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Strategy for Future Research Activity |
H28年度までの検討により、胃神経内分泌癌における疾患特異的な遺伝子のDNAメチル化異常は同定し終えている。個別遺伝子の機能解析を行うにあたり、以下の2つに留意する必要がある。1つは、遺伝子の機能が細胞の分化度に影響するかどうかであり、遺伝子の発現が低下した際に、内分泌マーカーの発現レベルが上がるかどうかを確認する必要がある。2つ目は、今年度に同定した血管新生との関連であり、遺伝子の機能が血管新生と関連するかどうかに注目して検討していく。
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Causes of Carryover |
今年度は血管新生に関する新たな知見が得られたため、これに基づいた臨床試験としての治療法の検討及び、その結果をまとめた上での論文作成に時間を割いた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
今後は、再度DNAメチル化とそれによる遺伝子発現低下を通した腫瘍発生に関しての検討を進めていく必要がある。
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