2015 Fiscal Year Research-status Report
統合的ゲノム・エピゲノム解析による大腸低分化腺癌の分子病態と診断・治療法の開発
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15K19339
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
青木 敬則 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (40749496)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 大腸腫瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
下部消化管内視鏡あるいは外科手術にて切除された大腸腫瘍組織から、高・中分化線癌と低分化腺癌の組織を採取しDNAおよびRNAを抽出した。組織が混在している進行大腸癌はレーザーマイクロダイゼクションにより高・中分化腺癌部と低分化腺癌部を分離し組織を採取し、DNAおよびRNAを抽出した。 また、上記で採取した大腸腫瘍を用いて、Infinium HumanMethylation450ビーズアレイによるDNAメチル化解析を行った。その結果、大腸鋸歯状病変の1つである鋸歯状腺腫(Traditional Serrated Adenoma, TSA)で高率にメチル化している遺伝子Aを同定した。次に、大腸腫瘍約600検体を対象に、同定した遺伝子のメチル化をパイロシークエンス法で検証した。パイロシークエンスによるメチル化解析の結果、遺伝子Aのメチル化レベルは、同じ大腸鋸歯状病変である過形成性ポリープまたはSessile serrated adenoma/ polyp(SSA/P)と比較してTSAにおいて高かった。またTSA癌化例では、SSA/P癌化例と比較して遺伝子Aのメチル化が高い傾向にあった。遺伝子Aのメチル化レベルとKRAS変異に正の相関を認めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
大腸腫瘍組織からDNAおよびRNAを順調に採取できており、大腸腫瘍におけるDNAメチル化解析を予定通り行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
採取した上記検体を用いて、低分化腺癌に特徴的な遺伝子異常の探索を行う。また、DNAメチル化解析で同定した遺伝子Aの過剰発現系およびノックダウン系を構築し、大腸がん細胞の増殖、遊走、浸潤、アポトーシスなどへの影響を解析することで遺伝子Aの機能を明らかにする。
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Causes of Carryover |
大腸腫瘍組織から順調にDNAおよびRNAを採取できたため。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
大腸腫瘍組織から採取した検体を用いて、低分化腺癌に特徴的な遺伝子異常の探索を行う。また、DNAメチル化解析で同定した遺伝子Aの過剰発現系およびノックダウン系を構築し、大腸がん細胞の増殖、遊走、浸潤、アポトーシスなどへの影響を解析することで遺伝子Aの機能を明らかにする。
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