2015 Fiscal Year Research-status Report
NASH病態における各種脂肪酸の毒性および感受性に関するメカニズムの解明
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15K19340
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
小川 祐二 横浜市立大学, 医学(系)研究科(研究院), 客員研究員 (20644959)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | NAFLD/NASH / 飽和脂肪酸 |
Outline of Annual Research Achievements |
ヒトの多変量解析では血小板,AST,4型コラーゲン,ヒアルロン酸は既報と同様に肝線維化と相関を示し,FFAもまた弱いながらに肝線維化と相関を示した.さらに,血中エンドトキシン(EAA)は肝線維化と正の相関を示す傾向を認めた.EAA,FFA,線維化ステージは3次元プロット解析で正の相関を示す傾向にある.この結果は飽和脂肪酸単独長期投与モデルマウスで血中FFA高値を保つと微細な肝線維化を認めたことと矛盾しない. 高脂肪食負荷マウスでは,普通食負荷マウスに比較して血中endotoxinの有意な上昇を認め、飽和脂肪酸投与のみでALTの上昇,炎症性さサイトカインmRNA発現の上昇、さらには線維化シグナルの増強を認めた.一方、普通食負荷マウスではALTの上昇を認めなかったが、飽和脂肪酸+lipopolysaccharide投与では,各々の単独投与に比較して好中球とマクロファージの相乗的増悪効果により肝内炎症が増悪することがわかった.また、高脂肪食負荷マウスへの抗菌薬投与で腸管滅菌を行うと,飽和脂肪酸投与によるALT上昇はキャンセルされた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
骨髄移植マウスでの検討およびM1/M2マクロファージに関しての検討を行っていない。これは、飽和脂肪酸による星細胞の活性化が直接的に起こるか否かの検討に時間を要しているためである。
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Strategy for Future Research Activity |
高脂肪負荷マウスを用いて、好中球除去もしくはクロファージ除去後に飽和脂肪酸を投与した際のALTを測定する。骨髄移植マウスでの検討およびM1/M2マクロファージに関しての検討を行っていく。
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