2017 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
15K19344
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Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
南野 弘明 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 医員 (40597556)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | GVHD |
Outline of Annual Research Achievements |
急性消化管GVHDの経過の中で、早期に評価すべき標的部位あるいはバイオマーカーについては、十分な知見は得られていない。 本研究は、造血幹細胞移植後に消化管GVHDが疑われる症例において、下部消化管内視鏡検査を施行し、消化管粘膜病変を内視鏡的・病理組織学的(内視鏡的形態診断・病理組織学的検討)に、また採取した生検組織標本を用いて、各臓器粘膜における種々のウイルス感染(微生物学的検討)、炎症性サイトカイン/ケモカインネットワーク・接着因子発現(分子生物学的検討)などを網羅的に解析し、早期消化管GVHDにおける病態生理を明らかにすることを目的とした。DNA microarrayによる遺伝子発現の比較検討から、急性GVHD発症に関与するサイトカイン・ケモカインなどの液性因子の関与につき評価し、real-time RT-PCR法を用いた相関性解析を行った。 GVHD診断陽性率は、口側回腸 50.0%、回腸末端 50.0%、直腸 68.8%。粘膜障害でみた正診率は、口側回腸 43.8%、回腸末端 43.8%、直腸 37.5%。と低値であり、粘膜障害の程度とGVHD陽性の相関性は低かった。また小腸および大腸組織の生検材料から、DNA microarrayによる遺伝子発現の比較検討から、急性GVHD発症に関与するサイトカイン・ケモカインなどの液性因子の関与につき評価し、real-time RT-PCR法を用いた相関性解析を加えたが、TNFαやIFNγ、IL-2などの炎症性サイトカインの発現は微量であり、粘膜障害の程度やGVHDとの相関関係は全く示すことができなかった。 結論としては、GVHD陽性は直腸で多く認めたが、optimal siteの同定およびサイトカインの発現は見い出せなかった。
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