2016 Fiscal Year Research-status Report
肝線維化に伴う脾腫は単なるうっ血なのか?:肝線維化進展と脾臓の免疫調節機能の関連
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15K19350
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
青山 友則 順天堂大学, 医学部, 准教授 (10622673)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2018-03-31
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Keywords | 肝線維化 / 脾臓 / リポカイン2 / 腸肝相関 |
Outline of Annual Research Achievements |
肝線維化に伴い脾臓におけるリポカリン2の発現増強が、門脈を介して肝在住マクロファージであるKupffer細胞の過剰活性を抑制し、肝線維化進展を阻止する役割を担っていることをin vivoおよびin vitroの研究結果より明らかにしてきた。一方、腸管滅菌を行うと脾臓のこのような作用は認められなかった。 以上のことから肝線維化に伴い増加する腸内細菌由来のgut-derived productが上腸間膜静脈から門脈を通りKupffer細胞を活性化させ炎症および肝星細胞の活性化から肝線維化を増悪させるものの、門脈に流入するもう一つの静脈である脾静脈から脾臓由来のリポカイン2が肝内へ入り、肝線維化を抑えていることが分かった。すわなち、腸-肝相関だけではなく、腸-脾-肝相関のバランス変化が肝線維化進展に重要な役割を担っていることが考えられた。これらを論文化し、受理された(現在発行手続き中)。 また、リポカイン2は腎臓でも発現しているが、少なくとも今回用いた四塩化炭素による肝線維化モデルでは変化は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
一度まとめて論文化し投稿したが、再投稿にあたり追加実験を課せられ時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
肝マクロファージ内のシグナル解析やリポカイン2ノックアウトマウスを用いて、リポカイン2のKupffer細胞における役割について明らかにする。
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Causes of Carryover |
共用の消耗品をできるだけ使用し、費用の削減に努めた。
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Expenditure Plan for Carryover Budget |
実験動物の作成や試薬の購入に使用予定
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