2015 Fiscal Year Research-status Report
好中球細胞外トラップに焦点をあてた新視点からの心筋梗塞に伴う炎症の制御
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15K19364
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
田尻 和子 筑波大学, 医学医療系, 助教 (60633914)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 心筋梗塞 / 好中球 |
Outline of Annual Research Achievements |
Elane遺伝子欠損マウスと野生型マウスに心筋梗塞を作製し比較検討を行った。好中球エラスターゼは好中球内でヒストンを分解し、クロマチン凝集を促進することでNETs産生に重要な働きを示し、好中球エラスターゼ欠損マウス(Elane遺伝子欠損マウス)はNETsを産生しないことが報告されている(J Cell Biol 2010)。このNETs形成不全マウスと野生型マウスに人工呼吸管理下に左冠動脈の結紮による心筋梗塞モデルを作製した。 ①NETs形成不全マウスは心筋梗塞に伴う過度な炎症が抑制されることが明らかになった。 ②NETs形成不全マウスは心臓リモデリングが改善していることが明らかになった(心エコー図法による心機能評価、組織学的所見による線維化の評価により)。 ③NETs形成不全マウスは野生型と比較し生存率が良好であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
概ね当初の計画どおりに研究が進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
NETs形成不全による心筋梗塞後の炎症やリモデリングに対する影響を明らかにする。前年度に引き続きElane遺伝子欠損マウスを用いた検討を行うと同時にDNA分解酵素治療による心筋梗塞の新規治療法の可能性を検討する。DNA分解酵素を腹腔内投与するとin vivoでNETs形成が抑制されることが報告されている (Nat Med 2012)。DNA分解酵素によるNETs阻害によりAMI後の炎症反応は抑制され、心筋リモデリングと生存率が改善することを示し、NETsをAMIに対する新規の抗炎症薬のターゲットとしての可能性を探る。
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