2016 Fiscal Year Annual Research Report
Right ventricular reversibility in adult congenital heart disease patients with volume overload
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15K19385
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
坂本 一郎 九州大学, 大学病院, 医員 (90616616)
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Project Period (FY) |
2015-04-01 – 2017-03-31
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Keywords | 成人先天性心疾患 / 心房中隔欠損症 / 右室容量負荷 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は先天性心疾患における容量負荷に対する治療前後での右室の可逆性に関して、MRIを用いて検討する研究であった。当初心房中隔欠損症(ASD)とFallot四徴症(TOF)術後の肺動脈弁閉鎖不全症を対象とする研究とした。TOF術後の肺動脈弁閉鎖不全症はASDと比較すると症例数が乏しく10例程度しか集まらず、また肺動脈弁置換術を施行する際に肺動脈形成術や参戦弁形成術を追加される症例があり、厳密に肺動脈弁閉鎖不全症による右室容量負荷を評価するのは難しいことが分かった。 ASDについては30症例程度の時点での解析で、平均年齢=50歳、平均Qp/Qs=2.2を対象とする場合、経皮的心房中隔欠損閉鎖術後1年では右室拡張末期容積も右室収縮末期容積も健常人と同じレベルまでは改善しないことが明らかになった。また右室駆出率も有意に低下することが示された。このことから左室同様に、右室に関しても容量負荷に対する可逆性の限界点があることが示唆され、限界点を超えた症例では、ASD閉鎖術後も右室機能障害が残存し、長期的には心不全を発症し、予後不良になると推察された。 今回達成できなかったことはこの限界点がどこであるのか、どのような症例で可逆性を持ち、どのような症例が可逆性を持たないのかを明らかにすることがある。幸いに症例は現在も蓄積傾向であり、2017年3月末までで50症例が治療前後でMRIによる評価が行えており、今後解析を進めて、可逆性を示さない限界点・risk factor(年齢・Qp/Qsなど)が何であるのかを今後統計解析し、論文にて報告することを予定している。
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